「レッドブック ワルツの雨」という小説があります。Twitterで以前おすすめされたのを見て買ってみたのですが、これがなかなか面白かった。特殊印刷で本文中に読めない文字が書かれており、1回目は普通に、2回目はその「読めない文字」を浮き出させながら読んでください、という趣向となっています。作者は「RE」というクレジットとなっていますが、Rは清涼院流水氏、Eは飯野賢治氏のこと。飯野賢治の名を見てああなるほどだからこの実験作なのか、と納得です。
内容そのものはさらりと読めるミステリー。全般的に理系っぽいというか理論(仕掛け)先行の雰囲気が無くはないですが、それ以上にきちんとした計算で楽しませてくれます。特にこういう実験的な試みが好きな人は膝ポン!かも。
1月19日のツイートから:そういえば、以前Twitterで見かけて買った「レッドブック ワルツの雨」( http://bit.ly/4MNzwq )読了。実験作としてはすごく良く出来ていて面白いんだけど…人に薦めにくいよこれw
posted at 14:38:01本編そのものは30分程度で読める小品、で、エンピツで特定箇所をこすると隠れていたメッセージが出てきて、それを含めて通して読み返すと…という趣向。
posted at 14:39:58周囲の照明の加減によってはエンピツ使わなくても特殊印刷読めるけど、これは「“エンピツでこすると心象が読める"という「体験」まで含めてコンテンツなので、横着やその後のことを考えずにちゃんとエンピツを使用することを強く勧めます。
posted at 14:41:54そういう「体験までセットでコンテンツ化した書籍」という面では、ものすごくよく出来てると思います。一方、私が「人に薦めにくい」というのは単純に「エンピツでこする」という体験の手法。要は「これおもしろいよ」って知人に貸せない!
posted at 14:44:03書籍としても非常に薄く(先述したとおり30分で読める分量)その割にはそこそこのお値段(1300円)。印刷にコストもかかってるし仕方ないんだけど、1回こっきり貸与も不可(※実際は消しゴムでがっつり消せばもとに戻せるんだけど)と考えると手出しにくいよねえ。
posted at 14:46:00これ自分で売るとしたらどうするかなあ。たぶん全く同一内容2冊をセットにして1冊分として売ることを考えるだろうなー。自分で読んで、もう1冊の“スペア"を知人友人にそのまま渡せるような仕組みだったらもっとウケたかもとは思うなあ。
posted at 14:47:23
ここにも書いてありますが、この本は「エンピツでこすると心情が浮かび上がってくるという体験」まで込みで計算されたコンテンツになっています。もし興味がわきましたらぜひ横着しないでエンピツ片手に読んでみてください。定価の1300円ではさすがにちょっと厳しいかなと思いますが、安価に入手できるなら、これは一度体験してみるのも悪くないと思います。ちょっと書籍の世界が広がる感じ。