2010/05/10 ■ さらにしつこく自作ビューマスターリール Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

なんというか需要が無いのを承知で話を引っ張りますが、またまた「自作ビューマスター用リール」の話です。前回は海外からビューマスター自作リールキットを購入したら想像以上のDIYっぷりで途方にくれましたが、これをもう少し手軽にできないもんかという検討とツールの開発を進めてみました。


ともかく、ビューマスターのリールを作ろうと思った時におそらく一番大変だろうと思われるのは「写真の位置合わせ」です。7枚の3D写真ペア・全14枚の細かい写真をぴったり位置をあわせて台紙に貼らなければならないのです。これはめんどくさい。

となると、まずこの位置合わせをすべてPCで行い全部一括でプリントアウトできたらいいなあ…というのは誰もが考えます。というわけで、位置合わせツールを作りました。グラフィックソフトでちまちま作業してもいいのですが、ステレオペア(左右2枚の写真)のズレ幅も含めてきちんと位置をあわせる必要があることなどから結構手作業でも大変なので。

完全自分用なのでUIなどは無く使い方は実にシンプル。
ツールと同じフォルダに、ビューマスターのリールにまとめたい.mpoファイル(3D写真)を7枚選んで放り込みます。
次にツールをダブルクリックして起動すると、同じフォルダにあるmpoファイルを7枚読み出し、視差情報を元に位置を補正、ビューマスターの比率にあわせてトリミング・並び替えた上で各種画像を自動生成してくれます。この際、生成する画像のdpiなども指定できます。これで生成されたのが冒頭のリール画像です。

これはdpiを設定と同じに指定して印刷するだけでピタリとリールの形になります。

あとは切り取って
台紙に貼るだけでひとまず完成。
ただし、このままだと
  • 本来透過光で鑑賞するシステムに印画紙をそのまま貼ってるので、光があまり透過せず異様に暗い(日光などを使って鑑賞すればわりと見える)
  • 印刷解像度が全然足りない(11.75mm×10.5mmの範囲に写真を収めているので普通のプリンタ解像度だとかなり荒い)
という問題があるので、あくまでも仮のものではありますが。それでも、「自作3D写真をビューマスターで鑑賞する」ことの想像以上の楽しさの一端は垣間見えます。いや、ほんと、楽しいんですよこれ。ある程度の「楽しさ」は当然予測はしていましたが(楽しいだろうと思ったからいろいろ実験しているわけですが)実際にプロトタイプを自分でのぞき込んでみるとこれが予想を超えて楽しい。アナログなおもちゃならではの質感とカチャカチャとレバーを押し込んで写真を送っていく感覚が、なにげない写真にワクワク感を加えてくれます。自分で撮った写真だからこそ、「オモチャ」の質感にその写真を撮った時の思い出を掘り起こす効果がある、というと言い過ぎでしょうか。ほんとREAL 3D W1で撮った写真から気軽にリール作れるようになると3D写真の世界ももっと楽しくなるとおもうんですよねー。

さてさて、次は露見したこれらの欠点の解消です。透過度の問題は、インクジェット用OHPシートを使おうか…と思ったのですが、「OHPシート」という概念そのものもやはり過去のものみたいで、ちょうどよい製品がなかなか無く今回のような非常に細かい印刷では印刷精度が不足することもありボツとしました。…が、あとになって「バックライトフィルム」という製品の存在を知りました。なるほどこれは試す価値がありそうです。後日試してみます。

しかしそれにしてもプリンタ解像度以上の精度は出ないわけで、プリンタの実力以上の品質を求めた場合はプリンタでの印画紙出力ではなく面倒でもリバーサルフィルムを使わなければなりません。そのためにフィルムレコーダなども買ったりしているわけですが(そしていまだにちゃんと使えていませんが…)フィルムサイズは通常の35mmフィルム。一度の印刷でリールを作るのは面積的に圧倒的に足りませんし、面積が足るフィルムを使うとムチャクチャ高くついてしまいます。

というわけで、このような画像を生成するようにしてみました。(これらの画像もツールダブルクリックで全8枚が同時に自動的に生成されます)

この画像を1枚1コマでフィルムに焼き付けると、ちょうど
このように、連続した2コマを使って4枚同時に位置合わせができる…はず…!計算上は…!

フィルムの利用効率・コストは悪くなりますが(みちみちに詰めれば1コマで4枚のビューマスターサイズ写真を収めることができるので、単純にフィルムの使用量が2倍になる)、そのぶん位置合わせと貼り込みがだいぶ楽になるであろうという算段です。
しかしそれ以前にいまだにちゃんと動かせていないフィルムレコーダ、なんとかしないといかんですねえ。まぁ、まだ未テストの「バックライトフィルム」と最新のプリンタで実用充分な品質が出せればそもそも出動させなくても良くなるかもしれませんが…。


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