2010/05/28 ■ 革命的で魔法のような腕時計(1998年) Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク


表題の「革命的で魔法のような」はちょっと言ってみたかっただけで深い意味はありません。世間は「革命的で魔法のようなデバイス」ことiPad発売で大盛り上がりの中、全力で時代に逆行したお話
1998年、セイコーインスツルメンツ(現セイコーインスツル)が発売した腕時計型情報機器「Ruputer(ラピュータ)」をご存知でしょうか。腕時計のくせしてDOSのようなファイルシステムを持ち、アプリケーションやファイルをぶち込んで使うことのできる「ウェアラブルコンピュータ」でした。


フラッシュメモリ容量は512KBまたは2MB(その後4MB版も発売)。腕時計としてみるとこれがなかなかゴッツいし、処理速度はお世辞にも速くないしバッテリーは持たないし…と、不満をあげればきりがないのですが、それでもやはり「プログラミングできる腕時計」は本当に楽しい!当初の価格こそ3万8000円~4万8000円となかなか手が出ないものでしたが売れなかったためか1999年頃には新品が数千円で出回るようになり、ここぞとばかりに何個も買い込んではいろいろ作って遊んだものです。(当時私がいろいろ作ったRuputer用アプリはこのあたりにあります)

いまから遊ぶにはシリアルポートが必要だったりサポートが終了していろいろなファイルが入手しにくくなっていたりと若干ハードルが高いおもちゃではありますが、腕時計のフルドットマトリクスの盤面が自由にプログラミング可能というのは今でも結構魅力的ではあります。

今の技術ならもう少し軽く・薄く・速くできると思うのですが、白黒LCDのままこういう遊べる「時計」をまたどこか作ってくれないですかねぇ…。Pong wrist watchなどのDIYプロジェクトを追いかけるしかないですかねー…。eZ430-Chronosはちょっと違うような気がするし。


ちなみにすっごい余談になりますが、当時Ruputerで複数対戦専用のPongを作って友人たちと遊んだりしました。通信可能なデバイスを手にするとやっぱ考えますよね!


■こんな記事もあります
10年前の片眼ヘッドマウントディスプレイ
ウェアラブルTwitterコンピューティング
iPhone OS 4にみる、アップル本気の『どくさいスイッチ』
持っておくとちょっと便利なモバイル小物4選
The Invisible Clock - 肉眼では読めない時計