2010/05/13 ■ Eye-Fi X2発表会(ブロガーパーティ)に行ってきました Twitterでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク


『Eye-Fi X2』発表会・ブロガーパーティというものに行ってきました。『Eye-Fi』はSDメモリカードの形をした機器で、デジカメにさすとどんなデジカメでも無線LAN対応にしてしまう、という実に画期的な製品です。デジタルカメラからはただのメモリカードとして見えるのですが、そのメモリカードに書き込まれた写真データを自動的に無線LAN経由でアップロードする機能を持っているのです。
もともと『Eye-Fi』は2007年に米国で発売されたもの。少し遅れて日本でも発売されましたが、今回発表された『Eye-Fi X2』シリーズは、そのバージョンアップ版にあたります。

とはいえ、『Eye-Fi X2』そのものも米国では既に販売が開始されているものなので、どういった製品なのか概要は発表会以前から知ってはいました。が、実際に目の前でデモンストレーションされ、そしてそのポテンシャルの説明を受けてみるとやはりなかなかこれが凄い。
なかでも気になった機能をピックアップして紹介してみたいと思います。


・高速化
実のところ、初代『Eye-Fi』の最大の欠点がアップロード速度でした。おそらく、『Eye-Fi』を買ったはいいけど結局全然使っていない、という人のほとんどはこの問題で使い勝手の悪さを感じたのではないかと思います。
つまり、『Eye-Fi』のもたらすメリット……メモリカードを抜き差ししなくても勝手に写真がアップロードされる……を実現するためには、アップロード完了までメモリカードに通電、すなわちカメラの電源をい入れていなければならないのです。そして、この時間が異様に長い。結局、いつ切っていいのかわからないままカメラの電源を入れっぱなしにしているよりはメモリカードを抜き差ししてさっさとコピーしたほうが手っ取り早いし楽、という妙な状況になってしまっていたのでした。
それが、今回『X2』になり、カードの内部構造から大きく変わり無線とともに性能向上が図られました。実際に動いているところを見ると「ようやく実用になる速度になった!」という気がします。特に、いままではもう考えたくもなかった動画のアップロードが実用的な時間で終わるようになっているのは驚きました。

・ジオタグ
「GoogleマップではGPSが無くても現在地が表示できる」でも紹介した“キャッチできた無線LANのアクセスポイントから位置を推定する”方式で、写真に自動的にジオタグ(位置情報)を付加することができます。これは日本向けのデータが無いとどうにもならないので、日本版まだかなーまだかなーと思っていました。当然、今回日本での発売にあたり日本のデータも入っている(正確にはサーバで照合して位置情報を付加するのでサーバに登録されている)そうです。発表会会場ではこの機能がブロガーにかなり受けが良く(拍手が起こっていた)「日本ではウケる機能が違う」とか社長に言われていたりしました。無線LANの(=街の)密度が違うから、なのかな?

・公衆無線LAN(ホットスポットサービス)対応
具体的にどのサービス事業者のスポットが利用できるのかはあまり具体的に語られませんでしたが、ポイントは“ログインページからID/Passwordの入力が必要なサービスでも使用できる”ところでしょうか。きちんとカードで自動的に認証してくれるそうです。これは楽しみ。


・RAW対応
個人的に一番欲しい機能がコレです。ジオタグ・RAW対応なんてのは、実は『Eye-Fi X2』が登場する前から海外では販売されていた“PROバージョン”ではあった機能なのです。が。ついに、ようやく、とうとう、日本にもこれらの機能が上陸ですよ!!!
で、なんでこのRAW対応が嬉しいかというと…
Eye-Fiカードのファームウェア、最新版にこのような修正が入っているのです。
v3.0301(23 Feb 2010)
Features:
Enabled in-camera upload progress visualization (2010 Sanyo Xacti models)
Prioritize the upload of selected files ahead of unselected files in selective share mode.
Added MPO extension to the list of supported raw file extensions.

そう、“3Dデジカメ”こと『FinePix REAL 3D W1』の3D写真フォーマット、.MPOがRAWファイルの一種として認識されるようになったのです!つまり、RAW対応の『Eye-Fi』なら、MPOを無線で自動的にアップロードできる!!!mpoを平行法に変換するサーバとか使って面白いことできないかと今からワクワクしています。


今回のブロガーパーティでは、思いがけずEye-Fi社CEO Jef氏、Eye-Fiジャパン社長田中氏とじっくりお話することができました。(基板名刺もお渡ししました!(笑))そこで、またとない機会なので普段からEye-Fiに感じている不満点…というか、要望を直接ぶつけてしまいました。いやー、ほんと、出来ると嬉しいのですが。

私が要望したのは2点で、

  • 外出先では選択した画像のみのアップロード、家庭では全ファイルアップロード、と自動的に切り替えられる仕組みが欲しい
    ポケットルータなどを利用して外出先からEye-Fiを使って写真をアップロードしたい時は、回線が細いので全写真のアップロードなどとてもできない。なので、“これぞ”という写真を選択してその写真のみアップロードしたい。(※これは選択アップロードの機能は既にあるので、その仕組でいい)
    だが、今回「エンドレスモード」(アップロードし終わったファイルはカードの残容量が少なくなると自動的に削除される機能)など“全写真ファイルをEye-Fiでアップロードして管理する”ことが前提となった機能も多い。なので、家庭では全ファイルの転送をEye-Fiにまかせて写真管理をしたい。だが、その“外出先では選択アップロード”と“家庭では全ファイルアップロード”の切り替えは今カードを抜いて設定しなおすしか方法が無く、現実的でない。
    よって、接続するAPによって動作モードを切り替える仕組みが必要だと思う。

  • 選択アップロード機能に、“JPEGファイルの解像度”を見てアップロードするファイルを決める機能が欲しい
    上記シチュエーションを想定すると、“選択アップロード”機能を使うのは主に外出先でTwitterなどへ写真を貼りたい場合。そのような時はフルサイズの写真は当然送る必要がなく、せいぜいVGAサイズがあれば充分。そのほうが細い回線でもあっという間に送れるし現実的。
    というよりむしろ、デジカメでは“Webアップロードしたい写真”しかわざわざVGAサイズにはしない。VGAサイズへのリサイズはデジタルカメラ本体でできるので、“VGA以下のサイズで記録された写真ファイルだけ選択アップロード”という設定ができれば、写真を撮る→カメラでリサイズ、とするだけでWebに上げたい写真を適切な解像度でアップロードできるようになりとても便利。
一応要望は伝わった(理解してもらった)…とは思うんだけれども。ほんと、載せてくれないかなあ。これできれば超便利だと思うんだけどな。

なんにせよ、非常に面白いイベントでしたし、欲しいと思える商品でした。Eye-Fi X2いいですよ!


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