2010/05/25 ■ Make: Tokyo Meeting 05/Twitter Discoの舞台裏 Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

Make: Tokyo Meeting 05というイベントに、NKHニコ生企画放送局の一員として出展してきました。タイトルは「Twitter Disco」。Twitterのシステムを部屋全体を使って可視化する試みです。かなり準備がバタバタだったわりにはそれなりにまとまったかなあと感じています。いやあ、なんとかなるものだ。ってなんとかしたのは@iyokan_nico氏ですがw
私は伊予柑氏とともに全体コンセプト設定と企画、そして『Twitterトルネード』と『Twitter波動拳』のデザイン・設計・実装を行いました。



どんな展示だったのかは、上記MTM公式Ustream録画をごらんいただくのが手っ取り早いと思います。
部屋の中心に直径3.5mほどの円柱半透明スクリーンを設置し、360度全周に来場者自身の、個人的なTwitterタイムラインを投影しました。スクリーンへの入口で“部屋にログイン”すると、部屋全体のBGMからスクリーンに投影されているタイムラインから背面に映されているID/アイコンから全てがその人(お客さま)仕様に塗り変わる、という趣向です。

エリアとしては大きく2ゾーンにわかれていて、
  • “パーソナルスペース”ゾーン
    円柱スクリーン『Twitterトルネード』の内側スペース。ここが来場者個人のTwitter“パーソナル空間”となります。ここに立つと、自分自身のパーソナルなタイムライン…自分の友人・フォローしている人たちのツイートに字句どおり“とり囲まれ”て、自分の世界に浸り切ることができるというわけです。
    当然自分からツイートしたりUstしたりと“パーソナルスペース”から外部へと発信することもできますが、その手段として用意されているのは、Twitterでよく使われる典型的なキーワードのみで構成された特殊キーボード『なうキーボード』、自分の顔がARでTwitterアイコンに置き換えられる『Twitterマスク for Ustream』。発信行為もTwitterというコンテキストでフォーマットされることになるわけです。
  • “干渉”ゾーン
    Twitterの世界において、パーソナルな空間にいる来場者に対して外部から干渉するためのゾーンです。『ほめるスイッチ/けなすスイッチ』で、ボタンをワンプッシュするだけでその人を褒めたり貶したりするツイートを送りつけます。また、『Twitter波動拳』でジョイスティックから“技”を入力すると、その人を攻撃する(ツイートを送りつける)ことができます。
    そして、これらの“干渉”も含めて、外部から“パーソナル空間”へは『泡沫(うたかた)ツイート』で繋がっており、物理的な泡と光となってツイートが生まれ消えていく…という演出になっていました。

このように部屋中の何から何までも連動・連携してひとつの展示となっていたわけですが、これらのバックエンドを支えていたのが現役中学生の@syawatanが作ったシステム。このシステムでTwitterにOAuth認証し、最後に認証された人(現来場者)のタイムラインや必要なユーザ情報を共通APIで取得できるようになっていました。そして各個別の展示物は、そのAPIから取得した情報を元にそれぞれ処理を行っていた…という仕組み。ほかにも『ほめるスイッチ/けなすスイッチ』はやはり中学生の@niconicokikkaががんばっていたり、2日目のBGM再生システムは高校生の@toriimiyukkiが作っていたりと、若いチカラが随所に活かされていました。みんなすごい。

そして、円柱にコメントを表示していた『Twitterトルネード』は、このAPIから取得した“来場者のタイムライン”をもとにツイートをまとめ、演出・レンダリングした画像をリアルタイムに極座標変換して投影していました。前回ニコ生コメントを同様に円柱スクリーンに投影したので、リアルタイム極座標変換部はそのまま使い回しています。ただ、前回の経験上プロジェクターと半球ミラーの位置合わせがキモだということはわかっていたので、位置合わせをかんたんに調整できるような設定インタフェースは結構作りこんでいきました。来場者にはわからないところですが(笑)。
右側の円形にツイートが表示されているウインドウがプロジェクターで投影される部分です。この画像をアクリル半球ミラー(東急ハンズで2~3000円程度)に反射させると円柱スクリーンに“正しい”映像となって投影される、という仕組み。ちなみに円柱スクリーンはホームセンターで300~350円/m程度で買えるガーデニング用の保護ネット(寒冷紗)です。このあたりのアイデアは前回Exp.さんに教えていただきました。


ツイートがピョコンピョコンと飛び出して、周囲をぐるぐると回っていく様子は自分で作って言うのもなんですがなかなかカッコよくできたと思います。なんだかそのうち自宅にも設置したいですねえ。