2010/04/08 ■ 「格安パケット使い放題」通信電池 b-mobile SIM U300 Arrived! Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

4月5日より、「通信電池 b-mobile SIM U300」というサービスの販売がはじまりました。おそらく日本初(?)の「SIMロックフリー機(携帯電話)で使うためのSIM+回線のみ販売」です。

  • 使っていない携帯電話や3G対応のPDAなどを使ってパケット通信をしたい時に使う「回線」のみを提供する
  • 上り・下りともに300kbpsに帯域制限されている(U300)
  • そのかわりにおよそ月額2500円相当からと格安
  • 契約事務手続き不要の簡便さ

が特徴となっています。このb-mobile SIM U300をお借りすることができましたので、さっそく使ってみることにしましょう!

パッケージを開封すると入っているのは、そのものズバリ、「NTT DoCoMo」「FOMA」とロゴの書かれたSIMカード。これはb-mobileのサービスという位置づけですが、b-mobileはNTT DoCoMoの回線を借りているMVNO(仮想移動体サービス事業者)として事業を行っているのでこのようなカタチになります。つまり、先に挙げたこのサービスの特徴「300kbpsに帯域制限されているかわりに、月額2500円相当からと安い」「契約事務手続き不要の簡便さ」に加えて「でもサービスエリアはNTTドコモの強大な無線網がそのまま使える」という特徴が加わるわけです。これはすごい。

このb-mobile SIMですが、開封したら「開通手続き」をすることですぐに使えるようになります。「開通手続き」は、既に使っている自分の携帯電話から(番号通知で)フリーダイヤルの番号にかけ、カードに書かれたSIMの番号をプッシュするだけです。既存携帯電話の番号と紐付けすることで本人確認の代用としているみたいですね。実に簡単。
ちなみにこの開通手続時にはアナウンスで「b-mobile SIM」という言葉は一度も出てきません「b-mobile 3G」の選択肢を選ぶのが正解です。まーニッチなサービスだし3G回線使ってるから迷わないといえば迷わないのですが、念のため。(これはSIMのパッケージにひとこと書いておいたほうが親切だとは思いました)

日本では慣習的に「回線」と「端末(の事業者)」は対の関係で、たいていは回線と端末のセット販売、もしくは既設回線に端末を追加販売する形式になります。が、b-mobile SIMの場合は完全に回線のバラ売りになりますので、当然「この回線に合う端末」を自分で調達することになります。使える端末は「SIMロックフリー」とうたわれているW-CDMA対応機、またはNTT DoCoMoブランドのFOMA一部機種。ただしあくまでも回線はパケット通信のみで、音声通話はできません。

ともかく回線を使ってみたいので、まずは動作確認機種にも挙がってるNTT DoCoMoのCFタイプデータカード「N2502」でためしてみることにしましょう。

N2502での設定方法。
まずN2502の付属CD-ROMからあらかじめインストールした「N2502ユーティリティ」を起動します。

次に「各種設定」をクリックし、各種設定ダイアログを表示します。

「APN設定」→「APN編集」から、空欄にb-mobileのAPN「dm.jplat.net」を設定。今回はCID=5に入れることにします。TYPEは「IP」。そして、「設定更新」してユーティリティを終了します。

あとはダイヤルアップの設定です。基本はb-mobileサイトで公開されている「SIM設定方法」の「OSの設定」のとおりですが、N2502の場合は電話番号を*99***5#とします。

この「5#」の「5」は、さきほど「N2502ユーティリティ」でb-mobileのAPNを設定した「CID」の数字。

あとは接続すれば普通に繋がり、パケット通信ができるようになります。
さっそくスピードテストをしてみると、

上りが132kbps、下りが250kbps。「最大300kbps」という公称値から考えると、かなりちゃんと速度が出ているのではないかと思います。Webなどをブラウズしてみても、必要充分な速度が出ている印象です。「こんだけ普通に使えるんならじゅうぶんだなー」と率直に思いました。

(設定は必要ですが)開通までの手続きは恐ろしいほど簡単。サービスエリアは国内随一、必要充分な速度(下り300kbps)、そして安い(1年分購入だと総額2500円/月でパケット使い放題!)というわけで「端末を持っていてパケット回線が欲しい人」にとってはムチャクチャ魅力的じゃないでしょうか。

そして、これはとても大事なことですが、以前このblogで「ドコモの定額データプランでは海外端末が使えない」として報告した「機種チェック」は当然無いのでSIMロックフリー端末(※法律上は日本の技術適合試験を通ったものである必要があります)がそのまま使えます。回線速度的にインターネット生放送用の回線にはかなり厳しそうですが、ちょっとした外出先回線としては全く問題ありません。

総務省が「SIMロック解除の方向でガイドラインを作る」と言い出したりと、日本の携帯電話業界も「サービス・端末・回線ぜんぶをキャリアが開発し販売」する垂直統合モデルから「サービス」「端末」「回線」をそれぞれ別の事業者が販売する水平分業モデルへ移行しつつあります。
その際にb-mobile SIMのような「少し遅いけど手軽に入手できて安い回線」というのは間違いなく一定の需要があるはずです。みなさんも、たとえ今すぐ必要でなくともこういう選択肢があるってことは覚えておくと絶対役に立つと思いますよ

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