2010/07/20 ■ 「ギャラクシアン3 生誕20周年記念」いろいろやりました! Twitterでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク


「ギャラクシアン3 生誕20周年記念」としてアーケードゲーム博物館計画さんの倉庫解放が行われましたが、事前に予告したとおりいろいろお手伝いしてきました!ぶっつけ本番で設置をしなければいけないので不安でしたが、なんとか360度全周ミニミニギャラクシアン3も無事稼働できました。当日ご覧いただいたかた、暑いなか本当にありがとうございました。
というわけで「やっぱギャラクシアン3って360度スクリーンだよね。(仮)」と称して行った360度全周ギャラクシアン3投影と、同時にようやく形になったLDプレイヤー代替機作戦の現状を簡単にまとめたいと思います。


360度全周ギャラクシアン3投影


もともと「ギャラクシアン3」というゲームは博覧会やテーマパークなどに設置されている巨大なアトラクション「28人版」が出自。「ギャラクシアン3」ファンもこの28人版を見て、そのスケールのデカさや迫力、全体を通した世界観に惚れた人が多いかと思います。もちろん6人版やスターブレードといった作品も素晴らしいのですが、ともかく「28人版」が原点でありまた原体験。しかし、「28人版」は建物一棟をまるごと使い16台の巨大三管式プロジェクターを使って360度全周に映像を投影する、というあまりにもスケールのでかい施設。すべての施設が撤去され無くなってしまった今、同じものをまた見てみたい…というのは夢の話でしかありません。

でも、やっぱり見たい!もう一回あれを見てみたい…!

個人×趣味という範疇でできる範囲でなんとかならんかと、ひと工夫してみました。とはいっても、以前何度か披露したシステムの改造ですが。
使うプロジェクターは一台。この一台の普通のデータプロジェクターを使って全周の映像を投影します。そこで、プロジェクターを上に向け、投射先には…
このように半球型のミラーをぶら下げてあります。余談ですが、このミラーは天井から位置をあわせてビニールひもでぶら下げているだけだったので、微妙な振動でゆらゆら揺れて投影画像が動き「まるでギャラクシアン3に乗っているみたいだ」とか言われましたが単なる偶然いやまったくそのとおり!

ここに投影している動画は、28人版で実際に使われていた背景用のレーザーディスク映像を変換しています。なのでゲーム画面としては敵や弾、ターゲットなどが足りないのですが、まあ雰囲気を楽しむ、ということでよしとしました。いつかはゲーム画面も再現してみたいものです。
もともと28人版のシステムはプロジェクター16台を使ったシステムだけあって、元の画像は大変横長になります。なにせ4:3の画面が横に16個並んでいるのです。画面比率64:3…!


このサイズだとさすがに取り回ししにくいので、今回は16種類の動画を4×4に並べて1本の動画ファイルにまとめました。こんな感じですね。


これを特製の極座標変換アプリケーションに通し、プロジェクターでミラーに向かって投影しました。この変換だけはリアルタイムで処理しています。
で、冒頭のような投影の完成。初日はかなり縦横比を「太らせ」て大きめの画面を投影していましたが、二日目は少し本来の比率に近づけたりしました。こういった調整がその場で効くのがリアルタイム変換のいいところです。
解像度的にもかなり厳しいものではありましたが、当時の28人版ギャラクシアン3を知っている、思い入れがある人にはいろいろ思い出すところがあるようでかなりご好評をいただきました。一方、28人版の「思い出補正」が効かない未体験の人にとっては当然「ふーん…」という感じだったようで、その反応の違いが結構見ていておもしろかったです。

「ギャラクシアン3」延命作戦

個人的に今回の倉庫解放でもうひとつ片付けたかったのがこちら。以前ご紹介したように、ギャラクシアン3というゲームはレーザーディスクをシステムの重要箇所に採用しており、そのプレイヤーの存続が実働維持のボトルネックとなっています。実際今回の「倉庫解放」前に稼働テストをしたところ、倉庫内にあった20台のレーザーディスクプレイヤーがついに全滅、別の場所に保管してあった予備2台を急遽持ち込むことでなんとか実働状態にしたとのことでした。レーザーピックアップの清掃などメンテナンスを施せば少しは復活する機体もあるとは思いますが、かなりの薄氷感が漂い始めたと言っていいでしょう。

という事情もあり、これは一気に「レーザーディスク代替作戦」を進めなければヤバそうだ、と思い準備しました。今回は嫁さんの協力もあり2日間の倉庫解放時にフル参戦できそうでしたので、実機テストと調整を繰り返すまたとないチャンス!

結果、こんな感じになりました。この動画は初回のテスト時(2日目・昼すぎ)に撮影したもので、左画面がPCによるLDエミュレーション、右画面が本来のレーザーディスク再生そのままになっています。ほぼ違和感なく動いているのがおわかりいただけるかと思います。あと、よく見るとPCのほうがシークが速い!のと、位置や色味が微妙にずれています。(位置ずれはその後調整しました)


システムはシンプルで、動画の再生や制御にPCが1台、ギャラクシアン3のゲーム基板から送られてくる制御信号を拾うためのUSBシリアルケーブルが1本、そしてPCの画面出力を外部同期にあわせて変換出力する業務用スキャンコンバータ。スキャンコンバータの入手性だけ問題ではありますが、まったく流通していないものではないのと故障率はレーザーディスクの比でなく低そうなので当面の代替はおそらくこれで問題ないでしょう。

PCから出している証拠にマウスカーソルも(笑)

その後(倉庫解放の解放時間終了後)両画面ともPCからの出力にしてテストなどしてみましたが、おおむね動作は問題ないもののいくつか要改善のポイントが見つかりました。なのでまだ「完成!」とは言えず「あともうちょっと!」としておきます。そうそう、ギャラクシアン3のLDはサラウンド収録だというのもテストして初めて気が付きました。レーザーディスク規格は当初音声はアナログ収録だったのですが、その後デジタル(PCM)記録も追加されました。で、ギャラクシアン3のLDはアナログ音声トラックとデジタル音声トラックで別の音声が入れてあり、それが前2ch後2chの4chサラウンドになっているそうです。2ch分しかキャプチャしていなかった…。

PCで作業しているとなかなか「本当にこれでいいのか」実感がわかないのですが、ゴールまでの距離がはっきり見えてきたのが収穫でした。PC側プレイヤーそのものはコーディング的にはたいしたことをしているわけではないし、システムの組み合わせも簡単なものではあるのですが…。既存のシステムがどういう動きをしているのかがわからないところからのスタートなので、なんか地味に難しかった。ようやく形になってきたのでホっとしています。

いやあ、ギャラクシアン3、まだまだイケます!保存しますよ! Related Posts with Thumbnails