2010/07/12 ■ 選挙のときは開票作業を見学しよう! Twitterでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク


3年に1度の参院選も無事終わりました。この先の日本はどうなるのか!?…というような話はこのblogのテーマでは無いのでもう全力でスルーしつつ、ここではあまり知られていないお手軽無料レジャー「開票作業の見学」を紹介してみたいと思います。ええ、言い切りますが開票所はレジャースポットです!


選挙は言うまでもなく民主主義の根幹であり超重要な社会システムです。なので、長年の運用で「不正を排除するための仕組み」がいろいろと工夫され構築されています。たとえば、投票所に朝一番で行くと一般の人が「投票箱に細工がされていたり不正な票が入っていないかどうか(投票箱が空かどうか)確認する」という仕事をすることになっていることはわりと広く知られていると思いますし、そのお役目を楽しみに毎回毎回早起きするお年寄りの人がいたりするのもよくある光景ですね。
一方、同じように開票のほうも不正を防止するため誰でも作業を参観することができるようになっていることはあまり知られていません。

公職選挙法にもちゃんとその権利が書かれています。
(開票の参観)
第69条 選挙人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる。
運用は地域によって異なりますが、だいたい開票所の入口で受付に名前を書けば入れてもらえることが多いようです。いつ・どこで開票するのか?というのは、地域の広報誌やウェブサイトなどで告知されています。たとえば東京都港区の場合はここに書いてありますね。


実際には開票作業を見ていて本当におもしろいのは今回のような国政選挙ではなく地方選挙。なぜなら、国政選挙の場合、マスコミが大規模な出口調査などをしておりテレビを見るのが一番情報が速いため、あんまり開票所現地まで最新状況をわざわざチェックしにくる人がいないのです。逆にそういうマスコミの大規模報道が無い地方選挙の場合は開票所に本気モード全開の当事者がうようよいます。まあ、開票の流れを眺めて楽しむのは国政選挙のほうがまったりできるとも言えますが。

さて、そんなわけで開票所見学。
投票が締め切られると各地の投票所から投票箱がぞくぞくと集まってきます。みんななぜか全力ダッシュ。大きな箱をかかえて走っていく姿は「ファイト!一発!」と声を掛けたくなるアツさです。

まずは投票箱がきちんと地区ごとに並べられ、すべての投票箱が揃っているかが確認されます。

そして開票作業開始とともに投票箱からすべての票が取り出されます。投票箱が完全に空になったことをチェックするため、このように並んだ開票立会人の前を、空の箱の中身を見せながら歩き空箱を回収します。

投票用紙は手作業で束ねられ、仕分けする機械にかけられます。機械で文字を読み取り、候補者別に振り分けられます。振り分けられた束はまとめられ、手前のカゴに仕分けられます。

次はそれを点検する作業です。機械によって仕分けされた候補者別の票を、人力ですべてチェックし間違いがないか確認します。疑問票や仕分け間違いはこの段階で別に振り分けられ、判定する係に渡されます。

そして点検が終わった票を機械で数えます。数えた票を一定数(100票かな?)ごとに束にしてまとめます。

そして、数え終わった束を候補者別にまとめていき…

集計していくわけですね。

そして、一定時間ごとに選挙管理委員から開票の状況が速報されます。速報値はこのように開票所で逐次発表されます。今回は国政ということもあってマスコミの取材チームは早々に控室に撤退していまい、発表は控室で受け取っていたようですが地方選挙の時などはこの途中経過貼り出しと同時にこの周辺が鉄火場のような雰囲気になります(笑)

最後に開票所見学のときの注意事項を。

  • 結構離れたところから見ることが多いので、双眼鏡などを持って行くと便利です。
  • 当然マジメな場なので、レジャースポットと言い切っていますが静かに参観しましょう。
  • 写真撮影などする場合は、絶対に票の中身が見えるような(=筆跡がわかるような)ショットは撮らないこと!これは投票の秘密を守るという意味でも最低限のマナーというかルールです。注意。
  • そのほか、現地の係の人の指示には必ず従ってください。あくまでも法で決まっているのは「選挙人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる。」です。

当然参観は無料。でもこれが結構楽しめます!民主主義の根幹を支える選挙システム、そのチェックという大義名分がありながらふつうにワクワクしちゃったりする開票作業の見学。今回の選挙は終わっちゃいましたが、次の時にはぜひみなさんも見に行ってみましょう! Related Posts with Thumbnails