渋谷・レーザーカッターが使えるカフェfabcafeで自分のデータを切ってもらってきた!の続き。
前回は薄い素材でViewMaster用のリール台紙を切ってもらいましたが、次は厚めのアクリルに挑戦です。お店の在庫素材(マテリアル)では3mmまでのアクリル板があるようなので、次は3mmアクリル板で作ってみたいデータを用意しました。
いまのところ自分が到達したViewMasterの自作リール作成手順は、可能な範囲で省力化はしたもののまだ「超お手軽!」とまではいきません。先の記事にも書きましたが、7枚ワンセットの3D写真をリール化するのにだいたい8~9分くらいかかります。
このかかっている時間のほとんどは、フィルムに焼き付けられた3D写真をカッターで規定の形に切り抜く時間にかかっています。この「切り抜く手順」を短縮できれば、さらにぐっと手間が減るはず。
つまり「穴開けパンチのようにガコッと押し込むことで一気に規定の形にカットできる装置」が作れればいいなあとポワワと妄想していたのですが、アクリルの硬さがあればひょっとしたらできるんじゃね?…という気がしたので実際に作ってみることにしたのでした。
そして出来たのがこんなシロモノ。ベースの台にはフィルム送り穴(パーフォレーション)に噛み合うようピンが立っており、
フィルムをかっちりセットすることができます。
その上にさらに蓋をかぶせて…
カッターとなるパーツを上からかぶせてぐいっと押し込むと切れる…かな?
…と思ったのですが、まあ案の定そううまくはいきませんでした。アクリル板の角を鋭利に研ぐ必要もあるでしょうし、さらにはカットするためにはカッターを差し入れる角度も大事かなあと思います。わかっちゃいたのですが。しかしそういった工夫うんぬん以前に、試してみた感触では(いまカットしたい形状だと)このアイデアの延長線上ではどうもうまくいかなさそうです。細かい凹凸の部分がきれいに切れそうな気がしません。しかたないので次はもうちょっと別の手段を考えることにしましょう。
…と、結果としては失敗だったのですが、FabCafe(fabLab)のような「お手軽に使える高精度加工環境」がもたらす最大のメリットはこのような「手軽な試行錯誤」だと思います。以前万能カッティングプロッタCraftROBOを買って使い始めた時も同じ事を感じましたが、「思いついたら気軽に作って試す」「駄目だったらまた別のものを作って試す」ことが出来るというのは計り知れないメリットです。「思いつく」から「試す」の行程までの近さ、早さ。大事だと思うんですよね。
FabCafeは(いまはお試し期間中で無料ですが、正規価格は)レーザーカッター使用に「30分最大3人共用で2000円」か「30分占有で5000円」のチケットを購入する必要があります。この「気軽に作って試行錯誤する」ことを考えると、「30分」という区切りがさらに細分化できるといいなあ、と思います。15分で最初のモデルをカットする→組み立てる→あ、ここがだめだもうちょっと変えよう→データ修正する→さあ次のバージョン作ってみよう→…という時には30分チケットが終わっている、というのはちょっと悲しい。今後どういう運用になるかはまだわかりませんが、うまく使えるといいなあ。
おまけ:3mmアクリル板をカットしてわかったこと
・3mmアクリル版カット時でカットラインは実際には0.2mmくらい。カットした穴とガタ無くぴったりはまる形状を切るためには穴の形状から各辺0.15mmずつくらい太らせてやるとちょうどいい。
・レーザーは与えたデータの中心線を通る模様。そして先述の通りカットラインが0.2mmくらいなので、穴はデータから0.1mmくらい太る感じ。
・カットはベクトルでデータをなぞるが、レーザー彫刻は面でラスタスキャンをする。かかる時間の桁が変わるくらい時間に差があるので、カット時間を減らしたかったらレーザー彫刻が入る面積を可能なかぎり減らすべし。
・そして逆にレーザー彫刻で図柄を描くようなデータは結構時間がかかる。面積にもよるけど1データ完了するのに30分くらい平気でかかる。自分の前に彫刻系のデータの人がいたら、せっかくのカフェなのでのんびりコーヒー飲んで待ちましょう。