2016/12/22 ■ PSVR「Rez Infinite」を全身で体感するシナスタジアスーツを5740円で自作する Twitterでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

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この記事はドワンゴ Advent Calendar 2016 22日目の記事です。

去年:ドワンゴ Advent Calendar 2015の記事
THETA S長時間稼働ジャケットで長時間全天球ライブストリーミング
一昨年:ドワンゴ Advent Calendar 2014の記事
リアルロボットバトル バトロイド視覚システム解説(Oculus Riftで2mサイズの戦闘ロボットを操縦してみた) 

PSVRで遊ぶ「Rez Infinite」はほんとうにそれだけでも最高に楽しいのですが、いやほんとうに最高に最高に楽しいのですが、世の中にはRez Infiniteをマキシマムに楽しむためのアイテム「シナスタジアスーツ」というものがありまして…。これ、なにやら胴体部分と両腕、両足、合計26個の振動子で全身にさまざまな種類の振動が加えられ、さらにはLEDライトが仕込まれたアウターで周囲の人は振動に呼応する色鮮やかな光を見て楽しめるというすごいもの。ああこれを着てRezをやってみたい。やってみたい。やってみたい!!!

Rez Infinite発売時にこのシナスタジアスーツの一般体験会なども開催されていてすっげー行きたかったんですが、スケジュールが合わず結局行けなかったのがもう心残りまくりでした。で、あまりにも心残りまくったので自分で作ってみることにしました


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とはいえですね、全身26個の振動子、24チャンネル制御、10種類の触感…などというシナスタジアスーツの機能全部をコピーしようとしてもきりがないっていうかお父さんのお小遣いで作れって言われてもすみません無理ですごめんなさいなので、とりあえずお小遣いと土日で作れる程度に、「上半身全体に振動を感じつつ、あわせてLEDがぴかぴかする何か(シナスタジアスーツっぽいなにか)」をつくることにします。…要するに光って震えてりゃいいわけですよね!(雑な解釈)

できたもの

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動画ではちょっとわかりにくいですが、ちゃんと(?)上半身はリズムにあわせて全身ぷるぷる振動を感じています。振動子は胴体と両手で計10個。LEDもリズムにあわせて色が変わっているのがわかりますかね!?(上記動画では30秒目あたりからリズムにあわせた点灯が入り始めます。2分40秒あたりからは我ながらだいぶノリノリになってますね(笑))

 

振動する部分をつくるよ!

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振動部分の材料はこんなかんじ。

秋月電子 円盤形振動モーター(2個入り) 100円×5 (計10個)
RCAプラグ 60円×2
RCAジャック 60円×2
3V小型リレー 接点容量2A 60円×2
2.1mm標準DCジャック 中継用 80円
16ホールユニバーサル基板×10(2x5) 150円
3.3V 2A ACアダプタ 620円
・赤/黒電線 数m
DualShock 4 5381円(Amazon価格。これは既に持っているものを使うということで…)

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電線(配線材)の途中に、適宜震動モーターを並列につなぎます。
ところどころ電線の被膜をむいてやり…

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震動モーターを接続し…

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絶縁もかねてホットボンドで固めてやります。これを10箇所つくります。

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3.3VのACアダプタをつなげるようにした上で、途中にRCAプラグを挟みます。RCAが短絡したら震動モーターが回る、というようにします。

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全体ではこんな感じ。これで震動モーターを全身に這わせるぜ!

 

DualShock 4から振動信号を取り出すよ!

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Rez Infiniteでは「操作とは別のコントローラー」、つまり2人目3人目として認識されているDualShock 4を、「リズムにあわせてただ震えるだけの装置」にすることができます。

Options→controlsから、「trance vibration」をONにして、操作するコントローラー以外のコントローラ(DualShock 4)をPS4に認識させRezをプレイすると、2台目以降のDualShock 4がリズムにあわせてぷるぷる震えるのです。…というわけで、今回はこの仕掛けを使って震動と光を制御してやります。

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まずDualShock4をばらします。改造しますので新品ではなく中古を使うとよいとおもいます。
コントローラ裏側にある4本のねじを外して…

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パカッと開くとこうなります。

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作業しやすいように+安全のため、バッテリーと裏蓋へのフラットケーブルを外しておきます。

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左右の震動モーターにから基板へつながっている配線を、半田こてを使って外してやります

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そこ(震動モーターがつながっていたところ)に電線をつなぎ、外に引き出します。

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震動モーターのかわりにリレーを駆動するように繋いでやり、震動モーターON(電流が流れる)とRCAジャックが短絡するように繋いでやります。

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これで「DualShock 4の震動(大・小)が動くとスイッチが入る」装置ができた、というわけです。

 

リズムにあわせてピカピカ光らせるよ!

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光らせるのは材料こんなかんじ(写真とリストは若干異なります)。

12V 2A ACアダプター 900円
RGB テープLED 980円
テープLED延長コード 2.5m 650円
LEDコントローラー(DCジャック) 399円

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LEDのコントローラーはこんなかんじの商品で、この「COLOR」ボタンを押すと順にLEDの点灯色が変わるようになっています。そう、震動モーターのかわりにこのCOLORボタンを押させるわけです。

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コントローラ表面の皮膜をひんむいて…

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めくってあげると、基板にそれぞれのボタンがつくられています。

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COLORボタン相当の場所をひっぺがしてやり、

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COLORボタンから配線を引き出しRCAプラグを接続します。

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コントローラにLEDを繋いでやれば、「震動のタイミングにあわせて色が変わるLED」のできあがり。

 

震動子を着る

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さあいよいよ着ます。震動モーターを体に密着させる必要があるので、ハーネスを使って体に密着させることにします。使用したのは

高視認性反射ベスト 885円
・アームバンド(ダイソー)2個 108円
・ワンタッチ袋とじクリップ(ダイソー)8個 108円

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まず、震動モーターを8個ぶん袋とじクリップに貼り付けます。また、モーターから出ている配線が引っ張られてちぎれないよう、根元をホットボンドで補強しておきます。

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こんなかんじ。

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このクリップを、反射ベストに挟んでいきます。今回使用した震動モーターはそれほどパワーがあるものではないので、体に密着させておかないとあまり震動を感じません。なので、さきほど貼り付けたモーターが体の側になるようにクリップを配置します。

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裏から見るとこういうかんじ。

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これを着て、それぞれの振動子が体にちゃんと密着するよう、反射ベストの各バンドの長さをきつめに調整します。また、腕はアームバンドの内側に振動子を入れやはり体に密着させます。

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改造したDualShock4に、震動モーターと3.3V ACアダプタ、LEDと12V ACアダプタをつなぎます。(端子がまったく同じサイズなので3.3Vと12Vの入れ違いに注意!)

テープLEDは反射ベストに貼り付けたいところですが、脱着が面倒なのでてきとうに体に巻き付けるだけでもよさそう。とりあえず光るし。

と、いうわけで…

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見た目はかなり雑ですが、こんなんでも実際に体験してみると超楽しい!!!

上半身だけ、そしてトランスバイブレーター相当だけ(震動パターンは一定)でも「全身で遊んでいる」感覚はたしかにあるし、自分からは全く見えないけど(笑)こう動画を撮ってみるとピカピカ光るのもやっぱり楽しい。

本当はLEDもモーターもきちんと別にマイコンで制御してやればもっと多彩なことができるし、スーツだってもうちょっと、こう、見栄えを考えるべきだとは思うんですよ。でも、まあ、なんというか、たまにはこういう「震動モーターのかわりにリレー繋いでスイッチON/OFFするだけですべて解決してしまう」ってのもいいんじゃないですかね。どうですかね。

しかしあれだ

やっぱりほんもののシナスタジアスーツも体験してみたいなあ…っ!

 

まとめ

今回つかった部品をあらためてまとめますと以下のとおりです(DualShock 4を除く。DS4はうまくやれば改造部分元に戻せますのでカウント外とします…)

秋月電子 円盤形振動モーター(2個入り) 100円×5 (計10個)
RCAプラグ 60円×2
RCAジャック 60円×2
3V小型リレー 接点容量2A 60円×2
2.1mm標準DCジャック 中継用 80円
16ホールユニバーサル基板×10(2x5) 150円
3.3V 2A ACアダプタ 620円
・赤/黒電線 数m
12V 2A ACアダプター 900円
RGB テープLED 980円
テープLED延長コード 2.5m 650円
LEDコントローラー(DCジャック) 399円
高視認性反射ベスト 885円
・アームバンド(ダイソー)2個 108円
・ワンタッチ袋とじクリップ(ダイソー)8個 108円

材料費 計5740円(+電線・ホットボンドなど適量+DualShock4)。いえーい!

…とここまでぜんぶ書いてから検索して気がつきましたが、同じようなアプローチで自作スーツ作られてるかたほかにもいらっしゃいますね!

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