このblogやTwitterでもときどき話題に出しているスマートフォン用3軸ブラシレスジンバル(スタビライザー)。これにスマートフォンを装着することで「ぶれ」を抑えた動画を撮影することができます。…とはいえ、まだ「なんか仰々しいもの」とか「興味はあるけど買うほどではない」みたいな感覚がある人も多いと思います。が、これ、正直な話「スマートフォンで動画を撮る」ことを少しでもする人ならぜひ一度触ってみてほしい、そんな思いまであるアイテムだったりします。
そんな3軸ブラシレスジンバルのなかで、Indiegogoで出資を募集していた「折りたたみ可能で安価な3軸ジンバル」 Snoppa M1が届いたのでレビューしてみます。(長いので先に簡単な要約:とてもすてき)
Snoppa M1ってどんなもの?
Snoppa M1 - Crowdfunding film from SNOPPA on Vimeo.
まずは軽くUnboxingから
開封すると、Snoppa M1で風景を撮影している様子に変化します。おっしゃれー!
本体・ソフトケースとmicroUSBケーブル。
説明書は日本語の記載もあります。
はさむ。
Snoppaアプリをストアからダウンロードして起動するのですが、起動時に写真のように「カメラ映像にSnoppa M1のホルダーが映り込んだ様子(※合成)」が表示されて、「このように装着しろ」と指示されます。とても簡単な工夫なのですが、わかりやすく+不思議な感覚で心底感心しました。パッケージといい、デザイナーに天才がいるでしょ。
ここで「スマートフォン用3軸ジンバル(スタビライザー)」という商品ジャンル自体に向き合う
Snoppa M1のレビューに入る前にまず、「3軸スタビライザーを装着してスマートフォンで動画を撮ること」自体について少し所感をまとめておきます。
- スタビライザーを装着するとすごく安定した動画が撮影できる。いわゆる手ぶれ補正機能つきのビデオカメラをも置き去りにする安定度。歩きながらとか走りながらとかでもばっちりOk
- スマートフォンのカメラは年々品質が向上しており、ズームしなければ(固定の画角であれば)充分にそれのみで戦える画質になっている
- おおむね「スマートフォンで撮った動画」でガッカリ感があるのは「ズーム(寄れてない)」か「手ぶれ」か「(だいたいは手ぶれ起因による)CMOSローリングシャッター歪み」だったりするので、手ぶれが抑えられるだけで見た目の完成度がぐっと上がる
- ただし移動体へのフォーカスの追従とか、(先の論点にもあるが)光学ズームへの対応など「ビデオカメラ」ならではの作り込みの強みは依然としてあるので完全にスマートフォンでビデオカメラ代替が可能なわけではない
- スマートフォン自身で撮影すると、その後の写真/動画の管理が非常に楽(そのままGoogleフォトに同期したりなど日々の運用に地味に効く)
- いっぽう、ジンバルを装着すると動画の質が上がるが「ジンバルも持ち歩く」「撮影時にジンバルを装着する」という手間が増える
- つまり、運用において考えるべきは「ジンバルの携帯と装着のコスト(手間)」と「写真/動画の管理が楽になる、動画の品質が上がるメリット」とのバランスが釣り合うかの問題となる
- このコスト・メリットのバランスは同様に「スマートフォンで動画を撮る」ことと「ビデオカメラ専用機で動画を撮る」ことの比較でも有用
論点は最後の
運用において考えるべきは「ジンバルの携帯と装着のコスト(手間)」と「写真/動画の管理が楽になる、動画の品質が上がるメリット」とのバランスが釣り合うかの問題
となります。
で、Snoppa M1はどうよ
上記の論点について、自分の感覚では
- スマートフォン直撮影による自動同期は思った以上に管理が楽。いちいちファイルコピーとかつらい
- ジンバルを装着することでの動画品質向上もこれも思った以上にすごい。「動画を撮ること」が楽しくなり、動画撮影頻度が上がるレベル
- しかしジンバルを持ち歩くのがけっこうめんどい。以前はそれでも携帯モバイルセットの中に3軸ジンバルを入れていたのだが、PCが小さくなるにつれカバンも小さくなっていきジンバルの居場所がなくなってきたのが現実
- 装着の手間自体はさほどでもない。動画を撮りたいと思うシチュエーションは集中していることが多く(子供と遊んでいるときなど)、一度付けたら付けっぱなしにして持ち歩くので毎回脱着するというわけではない。ので意外と負担にならない。
- 結局のところ(従来のジンバルでの)主な課題は、「ジンバルが小さく畳めない」こと。構造上モーターなどの突起物が多く、かばんにしまうにはごつごつしすぎて収まりが悪い
- その問題を解決するために小型折りたたみ2軸ジンバルも試したが、たしかに小さくはなるものの2軸では撮影品質が結局満足できなかった
つまり…
そう、シンプルな形にまとまる3軸ジンバルであるSnoppa M1はこの「ジンバルの携帯性」という課題を解決してくれる…のではないか、ということなのです!よ!わかりますか!みなさん!
手に持ってみると「思ったより重い感じがするなー」とか「たしかに従来ジンバル比で非常にコンパクトにまとまるなー」「けどそれでもやっぱりごついもんはごついなー」みたいなところはあるものの、総合的な使い勝手はなかなかよく出来ておりしばらくSnoppa M1を運用してみる所存でございます。
Snoppa M1実写レポート
(ジンバルを使用しない場合はどんな感じになるか、他のジンバルとの比較は↓の動画をどうぞ)
なかなかいいかんじですね!
実際に使用してみると、ほかのジンバル(たとえばこういうやつ)と比べて重量物がアームの先にあるため
ちょっと重さを感じます。長時間振り回すのはじゃっかんつらいかも。
そして驚きの安さ
というかですね、従来型の3軸ジンバルの相場がだいたい2~3万円くらいなのですが
クラウドファンディングものの新しいアイデアが盛り込まれた新製品が
最初からこの値段て安くないすか…。
(blogの紹介的にはAmazonで同じくらいで買えていただけるとたいへんたすかるのですが!)