2017/09/07 ■ 「40%コンパクトメカニカルキーボード」という世界 (Vortex Core 47key Keyboardレビュー) Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

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自分もかなり最近知ったのですが、「40%コンパクトメカニカルキーボード」という世界があります。いわゆる「コンパクトで使いやすいキーボード」としてはたとえばHappy Hacking Keyboardが有名ですが、これでもまだキーボードのカテゴリとしては「60%」さらに20ポイントも小さい、究極のミニマリスト中のミニマリストキーボード、それが「40%」の世界

どれぐらい無茶にコンパクトにしているかというと

まず、キーボードが4段しかない。みなさん、今目の前にあるキーボードを見てほしいのですが、最低でも5段あるはずです。それが、4段しかない。当然そうすると少なくとも数字の列が足りないわけで…カーソルキーとかファンクションキーとかそういうレベルでなく、数字ですらFnキーを併用しないと入力できない!わけです。「どうしてそこを削った!?」「小さくしたいからだ!!!」みたいな(笑)

そのかわり、ともかくひたすらコンパクト。フルサイズのキーを使用しているにもかかわらずフットプリントは携帯電話用の超小型Bluetoothキーボードにせまるサイズを実現しています。

はたしてこの割り切りっぷりで実用になるのか!?そんな気持ちもありますが、なんというかそんな計算を超えて中二心をグイっとつかむこのキーボード、せっかくなので試してみることにしましょう。
(※もちろんこのblogエントリはすべて上記写真のVortex Core 47keyキーボードを使用して書いています)


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「40%コンパクトメカニカルキーボード」というジャンルはいくつか製品があり、たとえばほかに「Magicforce 49-Key」もあります。上海問屋が輸入して販売したのですが、わりとあっという間に売り切れてしまい今は取り扱いがないようです。

こちらはわりとお安い設定(上海問屋価格で4999円)ですが、この手の省スペースキーボードには必須のキーマッピング変更機能がない(※どうしてもキー配列が変態的になってしまうので、自分好みにカスタマイズすることがある意味前提)上に配列的に自分はなかなか右小指あたりが慣れなかったので今は手放してしまいました。

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でもなー、やっぱあのコンパクトさはいいよなー、ともかく机が広いんだよなー…

…と思っていたところに、もうひとつの40%の雄(と言っていいのかどうかは知りませんが)Vortex Coreが日本で正規に販売されるというニュースが!マジか!

気にはなる、しかし個人で輸入するほどの熱意まではない…という感じだったので、正規に日本で販売されるなら、とさっそく飛びついてまいりました。

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購入したのはCherry MX赤軸版(ほかに青軸茶軸クリア軸があります)。価格帯的にはそこそこの高級キーボードに入るレンジなので、箱もなかなか凝っています。素敵なロゴ入りの蓋を開けると…ご対面!

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長年使い込んでいるRealforce91UBKと比べるとこんな感じ。まさしく「40%!!」という感じがします。フットプリントは半分以下。

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背面にmicroUSB端子があり、そこからPCに接続します。(ファームウェアのアップデートもこのmicroUSB端子で行います)

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キーボードの配列は、先述のとおり数字の列がなく、右側( [] {} あたり)もカットされて詰められています。そういった「削られた」キーは、FnキーやFn1キーと呼ばれるキーを併用してコンビネーションで入力することとなります。

Fnキー併用、Fn1キー併用、Fn1キーとShiftキーを押しながら…と、ともかくキー入力方法がかなり複雑になるのでこれは相当な慣れが要りそうです。

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とはいえ、こうやって入力していると意外と慣れてしまいそうというか、肝心かなめのアルファベットキーまわりのタイプ感は非常に良好。さすが定番のCherry MXキーを使用しているだけあって、アルファベットまわりはタイプしていてとても気持ちがよいです。また、冒頭に挙げたMagicforceのコンパクトキーボードよりも配列が私の性に合っているのか、いまのところ(キーコンビネーションが必要なキーを除いて)さほどのミスタイプはありません。うん、これはなかなか良いぞ。

製品の質感もなかなかシックで、質実剛健な見た目がGood。惜しむらくはキーの(手前側の)刻印がちょっとうるさいところですが、こればっかりは刻印がないとサッパリわからない(コンビネーションが必要な部分)ので、仕方ない。これ刻印無しでいいやと思える日はくるのだろうか!?

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このキーボードのメーカーサイトを覗くと、ファームウェアのアップデータがありました。キーボードをUSBにつないだままアップデータを実行するとファームウェアが書き換えられます。購入時1.03.00だったのが、2017年9月7日現在1.04.03になっていました。

キーボードのファームウェアを最新にしておくと何ができるかというと…

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このキーボード、もともと「レイヤ」という機能があり、キー配列やショートカットキーの登録などができるのですが、それに加えて(元のレイヤではいじれなかった)Fnキーの位置が変更できたりする機能が使えるようになります。(↑Othersの項)

これは添付されていた日本語マニュアルには掲載されていなかったので、Fnキーの位置を動かしたいんだけど…とか、カーソルキーが独立していたらよかったのに…とかいう人は(※上記説明にあるように、右Shift・右Alt・Menu・右Ctrlをカーソルキーとして機能させるモードもある(が、日本語マニュアルには載ってない))ぜひ試してみてください。

また、実はFnキーは移動できるがFn1キーについてはそのままでは動かせない…のですが、

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Redditの書き込みによると、「Pnキーの入れ替え先をFn1キーにする」ことでPnキーの位置にFn1を持ってくることができるみたいです。というか、私はそうしました。Fn1キーはかなり頻繁につかうので小指だとちょっとつらかったので親指の位置にあると便利です。

…というように、飛び道具的なミニマリストキーボードだけに、自分の手になじむようにキーボード自体でカスタマイズが効くのがいいですね。


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というわけで、ひとまず数時間このキーボードと付き合ってみた感じでは…

  • 質感やキータッチはたいへんよいです。高級感あり
  • キータッチがよいのでアルファベットまわりは快適に入力可能
  • キーコンビネーションが必要なところはかなりの慣れを要する。ただしキー配列はけっこう考えられている(数字が中央列にあるなど)のと、気に入らない配列は自分でカスタマイズできるのでこれは意外といけるんではないか
  • というわけでまだちょいちょい(キーコンビネーションが必要なときは)キーボードを見てしまうけれども、しばらく使っていきたい
  • ファームウェアを最新にして、メーカーサイトのマニュアルを見ると日本語マニュアルにはないカスタマイズもできるので要チェック
  • あ、ただShift+数字の記号を入力するときにShiftを先に押さないと入力できない(Shift,Fn1,キーの順で押さないといけない)のはファームウェアで直してほしい

というところでしょうか。

いやほんと、ベースのキータッチが良いので結構これでタイプしているとテンション上がってきますよ。なんというか、ミニマリスト的なところも含めて、中二心をくすぐるというか、映画の主人公になったような、特別な感じがするというか。

最後にGPD Pocketと並べた写真をあげましたが、GPD Pocketのキーボードはこれはこれで優秀なので(※個人の感想です)GPD Pocketと一緒に持ち歩く…というのは自分はやらないかもなあ。サイズ感としてはなかなかいい組み合わせなんですが。