2017/06/28 ■ 新書サイズの素敵超小型PC「GPD Pocket」が蓋を閉じると起きてしまう現象を解決する Twitterでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

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GPD is GOD! GPD is GOD!

というわけで全国一億二千万人のUMPC(ウルトラモバイルPC)ファンのみなさん、GPD Pocketは買いましたか?買いましたよね?まさか買っていないなんてそんな馬鹿な話はありませんよね?まさかね?

とんとこのジャンルの製品が途絶えて久しかったUMPC界に(モバイルPC、というより「携帯ゲーム機」をつくろうとしたらたまたまモバイルPCになってしまった、といういきさつで)唐突に出現した救世主「GPD Win」のことは記憶にあたらしいと思います。

このGPD Winが「モバイルPCとして」予想以上のヒットを飛ばしたためか、メーカーであるGPD社が「こんどはちゃんと(ゲーム機ではなく)モバイルPCとして作ってみるよ!」と開発したのがGPD Pocket。GPD Winにあったカリッカリの尖った印象こそないものの、これぞ!我々が!求めていた!モバイル!PC!というヨダレものの構成になっています。

しかし、そこはそれ、思いついたらさっさと作って売ってしまおうの中国製品。私の手元に届いた機体は、「蓋を閉じかけるとスリープするが、蓋を完全に閉じきってしまうとその瞬間にスリープから復帰してしまう」(蓋全閉が蓋を開いたとして検知されてしまう)という問題が発生していました。Twitterを眺める限りでは、同様の症状が出ている個体はけっこうあるようです。

というわけで、この素敵なUMPC「GPD Pocket」をなめまわしつつ、この「勝手にスリープから起きちゃう」問題を、Windowsの設定で回避してみることにします!



GPD Pocket is GOD

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このサイズ感、わかりますでしょうか。新書サイズというか、専用の革ケース(GPDオフィシャルショップで買えます)に入れたときのしっくり感というか、片手ですっと持てるコンパクトな感じがたまりません。

キーボードは変態配列ながらもアルファベットキーはキーピッチをかなり広くとっており(記号の入力に慣れが要りますが)タッチタイプが可能です。いっぽう、GPD Winでは両手でがしっとつかんで両親指でタイプできましたが、GPD Pocketではその持ち方はじゃっかんつらい。いわゆる「寝モバ」というか、寝そべって仰向けでだらだら遊ぶような使い方はGPD Win圧勝。GPD Pocketはこのサイズながらも机に置いて「作業(仕事)」ができるサイズ感、、というところです。

キーボードの配列は繰り返しになりますが変態配列。限られた横幅でアルファベットキーのキーピッチを極限まで広く取るために、記号キーの配置はだいぶいじられています。このやりかたについては賛否両論ありますが、少なくともキー配列についてはPC開発初期のころにGPD社はコミュニティ(ユーザー)の意見を積極的に聞いてキーレイアウトを修正しており、この配列が一定の落としどころであったという認識です。

ポインティングデバイスはトラックポイントが中央下部にあります。トラックポイントの形状はLenovo(Thinkpad)のものと同一であり、ロープロファイル版の部品と交換可能とのことです。

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本気で「使える」モバイルPCとしてつくろうという意気込みからか、メインメモリは8GB、内蔵ストレージは128GBあります。そして画面は7インチながらも1920×1200!なんとフルHDよりも広い。そのキーボードともあいまってちょっとした開発も単体でじゅうぶん可能。キーボードとトラックポイントは「つらい」という人もいるようですが、私は「じゅうぶん慣れられる範囲」と思いました。ええ、実際いまこのblog記事もオールGPD Pocketで書いていますし。

いわゆるネットブックが流行ったころと違い、いまはGPD Pocketに搭載されている省電力版のAtomプロセッサでもけっこうひととおりの作業がストレスなくできてしまうパフォーマンスがあることもあり、意外とGPD Pocketだけで何でもできんじゃね?という感触があります。

ていうかですね?フルHDよりも広い画面、広いキーピッチのキーボード、必要十分なメモリとストレージ、そこそこ使えるバッテリー。これがぜんぶこのサイズにおさまってるの、マジすごくないですか?


スリープ問題のおはなし

でもまあ、なにかしら大雑把なところがあるのがこの手の商品の超おもしろいところで(ポジティブシンキング)、GPD Pocketの場合は「蓋を完全に閉じるとスリープから起きてしまう」という問題が散発していました。

これは、蓋の開閉を磁気とホールセンサで実現しているところ、蓋を完全に閉じると磁石とセンサが近づきすぎてしまい(※ホールセンサは磁気が近づきすぎると反応しなくなることがある)逆に蓋が開いたと判定されてしまう個体があるのではないか、と推測されています。

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GPD Pocketはその筐体(アルミボディ)の剛性と精度が高く、蓋を完全に閉じてしまうと液晶が点灯しているのかどうかもよくわからなかったりするのですが、スリープしている時間を調べるなどしてみると、やはり、蓋は閉じているのにOS自体は元気に起きて回っている様子。これはつらい。

別に蓋を開けただけで電源ONしてもらわなくても結構なので(電源ボタン押して起こすくらいのことは別に手間ではない)、センサの問題を解決できなくていいから「蓋が開いても起きないように」してほしい。それだけでいい。


というわけで、まもなく公開される?BIOSではこの蓋開閉センサを殺してしまいボタンで起きるように設定することができるようです。

…が、

…と、OS(Windows)の設定だけでもできそうなので、まずはこれを試してみることにしました。Lid Open wake actionの設定…なので、具体的にはこれです。

  1. Windowsキー+Rを押して、「regedit」と入力しレジストリエディタを起動
  2. HKEY_LOCAL_MACHINEから、順に

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\4f971e89-eebd-4455-a8de-9e59040e7347\99ff10e7-23b1-4c07-a9d1-5c3206d741b4

    をたどっていく
  3. 右側に「Attributes」という項目があるので、ダブルクリックする
  4. 数値を2に書き換えてENTER
  5. つぎにコントロールパネルを開く(スタートメニューを開き「control」と入力すると候補が出てくるので「コントロールパネル」を選んで起動)
  6. 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション/電源プランの選択」をクリック
  7. 右側にある「プラン設定の変更」をクリック
  8. 「詳細な電源設定の変更」をクリック
  9. 上記レジストリエディタでの変更がうまくいっていれば、「電源ボタンとカバー」の中に「カバーを開いたときのアクション」が増えています
  10. imageこれを「バッテリ駆動」「電源に接続」両方をともに「何もしない」に変更します

以上で設定は終了。

実際ためしてみると、蓋をとじきってもスリープから起きなくなりました。BIOS更新しなくとも、Windowsの設定でひとまず解決できそうなので、同様の症状に困っているかたはぜひためしてみてください。

あ、いちおう追記しておきますが(途中にも書きましたが)もちろん今回のblogポストは最初から最後まで完全にGPD Pocketだけ(スマホで写真撮ったのを除く)で書いてます。外付けトラックボールも使わず本体のみ!いけるいける!


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