一部に熱狂的なファンがいる(含む自分)「UMPC」(Ultra Mobile PC=超小型PC)というジャンル。ながらくこのジャンルをカバーするPC製品が出ていなかったのですが、最近「GPD Win」というPCが発売になり(スキモノの間で)大変話題になっています。
私もさっそく…というか当初のクラウドファンディングIndiegogoでは支援者番号2桁、その後の日本版クラウドファンディングMakuakeでは「先着10名」枠に入る勢いでがっつり前のめりでゲットし、そのかわいさに惚れこみまくりです(このblog記事もGPD Winで書いています)。
で。
このGPD Win、UMPCとしてとても素敵で超楽しいんですが、もともと「エミュレータでゲーム遊ぶためのAndroid機」という大変なんというかこのフリーダムな雰囲気の「GPD XD」という素敵端末を作っていたGPD社(GamePad Digital、の略)が作った製品だけあり、いろいろ大陸的というか雑…もとい、おおらか(婉曲表現)なところがありまして、使っていく上ではある程度の割り切りや自らの工夫が必要になってきます。
なかでもみなさんが困るであろう点は「電源回りの挙動がなんかおかしい」ところかと思います。そこで、GPD Winの電源回りの謎挙動とその解決策をまとめてみました。
電源が入らない
充電しましょう。バッテリーが空の状態だと電源接続していても電源が入りません。まずしばらく充電してから電源ボタンを押してみましょう。あと、なんかおかしいなーと思ったら電源長押しで強制シャットダウン。
充電していると電源が入らない
充電中、電源を入れようとすると謎のバッテリー充電画面が出てちゃんと電源が入らない問題。充電ケーブルをいったん抜いてから電源を入れれば電源が入る、という挙動はBIOS設定で治します。
BIOS設定への入り方は、起動時にDELキー連打
この現象は、BIOSのSave&ExitからRestore Defaultを一回やってやると治る、と言われています。また、
Advanced→System Componentから、
S5-Charging DriverをDisabledへ
変更します。
長時間スリープしているとスリープから起きないことがある
BIOS設定である程度良くなるという報告があります。
Advanced→PPM Configurationから…
Max CPU C-stateをC6またはC1に。これでよくなる…かも?
スリープして持ち歩いていると勝手に起きていることがある
これは、GPD Winの蓋(液晶側)に力がかかり、液晶が押されてキーボードのキーが(蓋が閉じたまま)押されてしまいそのキー入力がきっかけでウェイクアップしてしまうのが原因です。Windowsには本来キー入力でスリープから起きないようにする設定があるのですが、GPD Winではその設定がうまく適用できない(起きないように設定しても起きちゃう)ので、これは物理的に対処します。
液晶側の周囲に1mm程度のスペーサーをつけることで、液晶に力がかかってもキーが押されないようになります。ダイソーのマグネットシートを使う、ゴム足を使う、シートを使って自作する、など工夫のしどころです。私はいったん3Dプリンタで枠を作成しました。カット用のライン(PDFファイル)を置いておきます。この対策シート、某社では商品化も検討中のようです。
電源刺してるのになぜかスリープしてた
Windowsで「電源接続時スリープしない」設定にしていても、目を離しているとなぜかスリープしちゃっている。…これは、「電源接続しているにもかかわらず、バッテリーが満充電になると『充電が終わった』ということで電源切断状態としてWindowsに認識される」という動作が原因です。これはまだ回避方法がよくわかっていませんが、長時間かかる作業をする場合は
バッテリー駆動時もスリープしない設定にしておくか、MouseLRなどのスリープ回避アプリを使うとよいとおもいます。
まとめ
GPD Win、このあたりが解決してくるとかなり「普通のPC」として使えるようになってきます。キーボードはたしかに快適とはいえませんが、人間なにごとも慣れます(断言)。ジーンズのケツポケットに入るWindows PC、ほんと良いです。UMPCラヴ!