2016/09/08 ■ 時代はいまデュアルセンサー・カメラ!Huawei P9を3ヵ月みっちり使い込んだ Xでつぶやくこのエントリーをブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク

20160724_194709

iPhone 7がデュアルセンサー・デュアルレンズのカメラを搭載すると発表されましたが、実はいまでもLEICAと共同開発、との触れ込みで「デュアルレンズ」なカメラを搭載した、SIMロックフリーなスマートフォン「Huawei P9」が販売されています。実際のところこのカメラの実力はどうなのか、そしてこのスマートフォン自身の使い勝手はどうなのか、発売日から3ヵ月弱、みっちり使い込んでみましたのであらためてレビューしてみたいと思います。

まとめ

最初にまとめを書いておきます。

「カメラは、これで完璧!というものではなく粗も多々あるが、デュアルレンズならでは、という写真は撮れるので総じて満足感は高い。」

「スマートフォンとしても全体的によく出来ており価格以上の価値がある」

「というか、何よりも背面指紋センサーが神すぎてもうこの位置に指紋センサーがないスマートフォンは買いたくない

「というか背面指紋センサーは正義。大事なことなので2度言いました」

 

カメラについて

「LEICAと共同開発」「デュアルレンズにより一眼カメラのようなボケ表現を実現」などと謳われているHuawei P9のカメラ。実際のところは…

Huwawei P9のカメラの「ボケ」表現について

「ボケ表現」については、2つのレンズで撮った画像をもとに深度マップ(デプスマップ)を生成し、その深度をもとにボケを付与する方式。…と聞くと、この手の仕組みについていろいろ自分でも試したことがある人は「この方式の限界」(ステレオカメラによるデプスマップ生成の限界)みたいなものが思いつくと思いますが、その限界はそのまんまこのカメラにもあります。つまり、ボケの付与を間違えることが結構あります

たとえば。

20160803_143153

この写真。えっこれが携帯電話で撮った写真!?というかんじですよね。ちょっと見た感じ、とてもいい雰囲気に見えます。スマホをサッと出してパッと撮ってこういう写真が撮れる、それがHuawei P9の良いところ…ではあるのですが…

20160803_143153

よく見ると、腕の部分の背景のボケ方がちょっとおかしい、のがわかるでしょうか。ここ、腕にはピントが合っていてしかるべきで、腕に囲まれた背景部分はボケてなきゃいけないんですが、うまくボケが加わっていません。

20160626_153708

同様のミスはこの写真にもありますがわかりますかね。ベンチの隙間から見える背景部分。ここのボケ方がちょっと間違えています。

総じて、「撮ったあとスマートフォン上で眺めていると『おおっ』となるような写真が撮れるのだが、よく見るとなんかちょっと変」という写真がよく撮れます。パッと見の印象はすごくいいんですけどねー。

とはいえ、そんな細部までじろじろ写真を眺め回すこともあんまりないので、スナップカメラとしてとっても気持ちがよいのは事実です。どうしてもボケの部分が気になるようだったら撮ったあとから(ボケ量を)修正できますしね。

 

飯テロ写真カメラとして

20160717_130913

「あんまり間違えないシチュエーション」だとすごくこのカメラは強力です。たとえば、飯テロ写真。ごはんをきれいにボカして撮るのはかなりうまくいきます。また、シャッター音がそれほど大きくない(消せればなお良いんですが…)のもごはん写真を撮るのに向いています。

20160617_130932

ただ、この用途だと「レンズボケを加えるモード」と「マニュアル撮影モード」が両立できないのが痛い。(後述しますが)Huawei P9のカメラは「Proモード」といって非常に細かく撮影パラメータを変更できるマニュアル撮影が可能なのですが、ボケ付与写真モード(ワイドアパーチャモード)だとこの機能が使えないんですね。オシャレなお店でオシャレなごはんを撮影する場合、照明が暗かったり暖色系だったりとホワイトバランスや露出補正をしたくなるシーンが多いので、これが実はけっこうつらい。ボケを加えるにはオート撮影に頼らなければならないのです。

ここはもうちょっとソフトウェアでなんとかしてほしいなーとおもいます。

 

暗所撮影能力

20160801_214358

Galaxy S7のカメラの暗所撮影能力は非常に高いそうですが、それと比べるとHuawei P9の暗所撮影能力は「並」という感じ。

ただこれはオート撮影だとシャッター速度を1/17秒より長く設定しないようになっているっぽいので、そのためあまり明るくならないのがひとつのポイントのようです。

先に軽く触れたとおり、Huawei P9には「Proモード」というマニュアル撮影モードがあり、ここでシャッター速度を調整することで暗所でも結構明るい写真を(気合いを入れれば)撮ることは可能といえば可能だったりします。

ただし、見ての通りこれをブレなく撮るのはかなり大変。それと、シャッター速度1/10秒より設定値が長くなると、シャッター速度の設定がプレビューに反映されない(シャッター速度を長くしてもプレビューが明るくならない)ので、露出の設定は「実際に撮ってみて確かめる」感じになり結構たいへん。あんまり実用的ではないですね。

ISO50
ISO50

ISO100
ISO100

ISO200
ISO200

ISO400
ISO400

ISO800
ISO800

ISO1600
ISO1600

ISO3200
ISO3200

ただ、そこを踏まえたうえで「がんばって」撮ると、これも「え!?これがスマートフォンのカメラ!?」みたいな絵を撮ることはできます。がんばらないといけませんが。

ISO値とノイズの関係でいえば、そこそこ優秀なんではないかとおもいます。

 

動画撮影能力

写真撮影の飛び道具っぷり(ボケ付与など)と比べると平凡、という印象。4kも撮れませんし、撮れる絵もふつう。ただそこそこきれいではあるので、先のblog記事に書いたとおり自分はブラシレスジンバルと組み合わせて動画撮影自体は結構使っています。

 

背面指紋センサー

20160617_024212

背面指紋センサー is God。

Nexus 6Pなど以前からここに指紋センサーがある機種があるのは知っていたのですが、自分で使ったのはHuawei P9が初めてでした。いやー、なんでみんな指紋センサーがここにないんだろう!ホームボタンを押すとかそんなかったるいことしていられるか、というきもち。

スマートフォンを手に持つと、自然と人差し指がこのセンサーの位置にくるので「持つと起動」という快感を感じられます。さらに、Androidのドロアーもこの指紋センサをなぞることで引っ張り出すことができるので、ここに置いた人差し指が大活躍。

「片手で」スマートフォンを持つ、ロック認証する、そしてドロアーを引き出して通知を確認する、までスムースにでき、慣れるまでもなくこのスムースさを自然と受け入れてしまったのでもはやここに指紋センサーがない機種を使える気がしません。背面指紋センサー is God。

 

というわけで

20160718_172308

Huawei P9、なかなか良いです。質感も高く、非常に満足してます。まだしばらくメインスマホとして活躍しそうです。おすすめ!