本件、6/19 17:00ころ復帰していることを確認しました。詳細は記事最後の追記を参照してください
「株式会社ウィルレイズから不動産の営業電話があった」というタイトルの、
- 不動産投資の無差別営業電話があった
- とても迷惑だと感じた
- 個人情報保護法の問題があるのではないか
- 宅建業法でも規制があるのでこちらから対応する方法もある
ということをただ淡々とテキストで書いたブログ記事(画像はいらすとやさんから1枚利用。本記事公開時点ではリンク切れ。6月19日復帰)にDMCA違反の申し立て(DMCA Takedown Notice)があり取り下げられました。
DMCA Takedown Noticeとは、著作権侵害コンテンツをインターネット上から排除するためにつくられた仕組みで、著作権侵害である旨の申告を受け付けるとまず削除する(異議はそのあと受け付ける)という制度です(くわしくはWikipediaのデジタルミレニアム著作権法参照)。
また、今回の事例とは直接関係なく一般論として言いますが、このDMCA Takedown Noticeの制度を悪用し自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが問題になっています。(くわしくはDMCA悪用はなぜ問題なのかや、「DMCA 悪用」で検索し参照ください)
さて
では、私が書いた「株式会社ウィルレイズから不動産の営業電話があった」という記事はどのような理由でDMCA Takedown Noticeに至ったのかを調べて対応してみることにしましょう。
該当の記事に対してどのような申し立てがあったのか、は、Lumenというサイトで確認することができます。
該当の記事URLに対しての申し立て一覧を見てみると、去年の12月にDefamation(名誉毀損)で2回申し立てがあり、この申し立て関しては特になにごともなかったのですが、その後(なぜか)著作権侵害についての申し立てが行われていることがわかります。
あ、繰り返しになるのですが、今回の事例とは直接関係なく一般論として、DMCA Takedown Noticeの制度を悪用し自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが昨今問題になっています。
いやいや、私がブログ記事として著作権侵害コンテンツを公開してしまっていたのならそれは大変申し訳ないので、これは対応しなければいけませんね。
具体的な申告内容は、同じくこのLumenで確認できます。
個人の方からの申し立てで、「下記のURLで閲覧できる、一般市民の携帯電話を覗く警察官のイラストが当該サイトに無断で引用されている」と、いらすとやさんの画像をアイキャッチに使っていることが著作権侵害であり取り下げる必要がある、という旨の申告のようです。(さらに詳しいURLはLumenにメールアドレスを登録することで確認することができます)
いやーーーー、こちらの個人の方、ちょっとした勘違いがあるようですね!あなたはご存じなかったのかもしれませんが、いらすとやさんの画像は商用非商用問わず無料で利用できるんですよ。公序良俗に反する利用はできないですが、そうではないと思うんですよねー。
三度目の繰り返しになるのですが、今回の事例とは直接関係なく一般論として、DMCA Takedown Noticeの制度を悪用し自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが昨今問題になっています。
さて、ちょっとした勘違い、行き違いがあるようなのでこのDMCA申告に異議を申し立てみたいと思います。
Google(blogger)のDMCAポリシーについてはここに記載があります。この中から「異議申立通知」のBlogger…をクリックするのですが…
なぜか「異議申し立て」ではなく「コンテンツを削除する」フォームになってしまいます。
いろいろ眺めて見た結果、ウェブ検索の対しての異議申し立てを選ぶと「法的な申し立てにより削除された自分のサイトのページについて、復帰させることを希望している」という選択肢が出てくるので、これを使ってみようと思います。
あとは淡々と異議申し立て通知フォームを埋めていきます。
「コンテンツの復元をリクエストする理由」には「対象コンテンツの所有者ではありませんが、その使用を許可されています」
「リクエストが正当である理由を詳しくご説明ください」には
該当のDMCA Takedown Noticeはhttps://www.lumendatabase.org/notices/18664580こちらです。
本件で指摘されている「一般市民の携帯電話を覗く警察官のイラスト」は、いらすとやご利用規程https://www.irasutoya.com/p/terms.htmlに「個人、法人、商用、非商用問わず無料でご利用頂けます」とあるとおり利用が広く許諾されている画像でありこの記事での使用を許可されています。
と書いてみました。そして送信!
いやー、ちょっとした勘違いだと思うのですが、いらすとやさんの画像をアイキャッチに1枚使ったことで著作権侵害の申し立てを受けるとは、株式会社ウィルレイズさんについて書いた記事を取り下げられるとは思いませんでした。異議を申し立ててみたので、勘違いが是正されるとよいのですが…!
本件、いらすとやさんの画像を自分が描いたイラストに差し替えて再公開というのでもよかったのですが、今回の事例とは直接関係なく一般論として、DMCA Takedown Noticeの制度を悪用し自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが昨今問題になっていますので、DMCA Takedown Noticeに対する異議申し立てというのをいちどやってみたいなと思ったのでした。
いやー、世の中何があるかわかりませんね。
2019/06/18 19:30追記
Googleから第一陣の返答が来ました。思ったより早かったHello,
Thanks for reaching out to us.
We're working to respond in your language, but we're currently best able to answer in English. We apologize for this inconvenience.
As described in 17 U.S.C. 512(g), we will forward the counter notification to the complainant. If we do not receive notice from the complainant that they have brought an action in the district court within 14 days, we will reinstate the material in question on Blogger. We appreciate your patience in this process.
Regards,
The Google Team
簡単に訳してみると
私たちはあなたの言語で回答するよう努力していますが、現在は英語で回答するのが一番です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。こんな感じでしょうか。まさかこの内容で裁判所に提訴はされないと思いますのであと2週間の辛抱かな…?
17U.S.C.第512条 (g) に記述されているように、我々は苦情申立人に異議通知を転送します。申立人から14日以内に地方裁判所に提訴した旨の通知がない場合は、Blogger上で問題となっている素材を復活させます。ご辛抱いただきありがとうございます。
(しかしこうして反論することで自分の個人情報が相手に渡るのはやはり知っていてももやっとするところはありますね)
2019/06/19 18:00追記
その後特にメールなどでのレスポンスはないのですが、17時ころふと検索してみたら検索結果ならびにブログ記事が復活していました。bloggerでの非公開状態も元に戻っており、編集画面での警告(このブログ記事冒頭のスクリーンショット)も無くなっています。
DMCA違反状態のフラグが完全に消えたと思われます。
本来は↑にも書いたとおり「DMCA通告→Takedown→異議申し立て→申し立て転送→(2週間以内に提訴?)→提訴がなければ復活」が正しいフローのはずなんですが、ここまで早く元に戻った…ということは異議申し立ての段階で人の目のチェックが入ったのかな?
なんにせよ、本件ブログ記事の取り下げ、という単体の事象自体は解決しました。
手続上復帰に2週間はかかる想定で次の矢として公開質問状で「心当たりがあるか」を問い合わせたり、それでも「犯人」が出てこなかったら弁護士さんにお願いして該当の虚偽申告を行った人をつきとめる動きかなあと思っていたんだけども😅思いのほかあっさり戻ってきたのでちょっとどうしよってなってる
— MIRO (@MobileHackerz) 2019年6月19日
どうしよ😅(公開質問状までは用意してあった)
↓今回の話とは直接関係ありませんが、不動産投資営業について、こちらの本おもしろかったのでおすすめです