というわけで、今回の新作時計はLED時計「Epoch.Bar」。量産とかコストとか使い勝手とか何も考えずに自分の使いたいように、自分の作りたいように作ったのでまさに誰得いや俺得、まったく実用性のない置時計にしあがりました!
コンパクトなアクリルの筐体に赤く浮かび上がる10桁の数字。
これ何かというと、通称「UNIX時間」。1970年1月1日午前0時0分0秒(この時刻をUNIX Epochといいます)からの経過時間を秒でカウントしたものです。Webプログラミングなどサーバ側で何かプログラムを書いたことがある人はだいたいどこかで目にしている超おなじみの数字であり、なんとなく見覚えのあるような値の数字列。(なので、いろいろな人にこの数字が表示されている様子を見せて「これ時計なんですよー」と言うだけでピンとくる人はピンときてました)が、だからといってこの数字から日時を読み取るのは人間には無理!もはや最初から表示で時刻を読み取るつもりなんかさらさらありません。そしてWebプログラミングしているからといってこの数字が常時リアルタイムに表示されていても別に役に立つわけでもありません。そう、実用性は本当に全くないんです。
でもいいんです!そういう馬鹿馬鹿しいのを作ってみたくなったんですから。
実はこの「UNIX時間を表示する置き時計」というコンセプトでは既に製品が存在します。ThinkGeekの
The ThinkGeek Epoch Alarm Clockです。
ThinkGeekは毎度毎度欲しまりまくる製品満載でまあなんというかとてもキケンなサイトなわけですが…このEpoch Alarm Clockは…なんかちょっと自分が欲しいものと違うんだよなあ、と思っていました。こんなにいろいろ出なくてもいい、もっとシンプルに(実用性を切り捨てて)UNIX時間だけ表示する、電池駆動の時計にできないかなあ、と。
同じように以前自分が欲しいと思った時計を欲望のまま作った時(KETACLOCK)は実用性の両立を考え、LEDの構想を液晶に変更した結果なんか中途半端な感じになってしまいました(中途半端だと思ってるのは私だけかもしれませんが)。今回は「もとより時刻を読めない非実用時計なんだから、実用性とか考えてもしかたない!」と割り切り、「そのほうがかっこいいから」LED表示、そして「そのほうがかっこいいから」ワイヤレス(バッテリー駆動、AC電源なし)、さらに「そのほうがかっこいいから」(よくあるLED時計の"ボタンを押して点灯"のようなものではなく)表示は常時点灯、にしました。その結果、この時計を使うためには満充電の単4エネループ×2を3~4日ごとに交換する必要があります(笑)
この3~4日ごとに交換、という手間も電池を単4ではなく単3にすることで1週間ごとくらいにはすることができるはずなんですが、電池を単3にすると筐体がLEDのサイズよりも大きくなってしまうのでかっこよくないから却下!ともかくミニマムなサイズの箱にEpoch Timeが数字だけ浮かび上がるようなカタチを最初に思い描いてしまったので、その欲望に忠実につくってみました。
サイズ感はこんなかんじ。手にすっぽりとおさまる大きさで、電源コードなども無いのでけっこうかわいいです。
モニタの上やPCの脇にちょこっと置いておくと、UNIX時間をちょっと身近に感じられるかも!?
中身はこんなかんじ。ともかくLEDのサイズありきで、12桁分のLEDの外形に収まるように考えました。マイコンは78F9234(マルツで336円)、そこに正確な時刻を供給するために秋月のRTCモジュールを組み込もうとパターンだけ引いてありますが、まずはマイコン内蔵クロックを補正してなんとかならんかなあと今は未実装になっています。ぶっちゃけUNIX時間を表示しているだけだと12桁のうち上2桁は全く使わないのですが、そこもなんとなくLEDは10桁LEDでキチキチに数字が出ているより12桁LEDで上の桁に余白があるほうがかっこいいだろうという直感で12桁にしてあります。そんでそんでさらにそうなると(12桁あると)ついムクムクと「年月日時分秒まで表示できるなあ」とかの邪念が浮かびますが、そんな邪魔なものを表示する機能なんざもちろんつけません(笑)。なお時刻の設定はPCとUSBシリアルポートで接続して行います。
まあそんなわけでUNIX時間しか表示できないLED置時計「Epoch.Bar」。こんなギークな置時計はいかがでしょうか?MTMあたりでキット化したら需要ありますかねえ。
そうそう、表題の「インターネット時間」という煽り文句でインターネットタイム(.beats)を思い出した人は残念でした(笑)この「インターネット時間」も(あえて今頃!)そのうち時計として実体化したいものです。
さらに詳しい情報は>http://mobilehackerz.jp/contents/Hardware/EpochBar をどうぞ。