テレワークそしてWeb会議もだいぶ日常になってきて、私も常日頃からWebカメラと向き合っている毎日です。と、そんな日々を送っていると「PC内蔵Webカメラの『とりあえず映ってるからええやろ』という画質」にだんだんウンザリしてきたりしまして。
いやいやいや、そこに映ってるのはオッサンです。オッサンなんですよ。オッサンを綺麗に映しても誰も幸せにならないのはよくわかってます!わかってます!が!オッサンだからこそ、オッサンであるからこそ、元が悪いものをさらにガビガビにした汚い絵面を毎日毎日見せつけられては…せめてもうちょっとなんとかならんのか、という気に…なってくるわけで…
というわけで、Webカメラの画質をもーちょっとなんとかしたい。
そんなことを思ったわけですが、ちょっと調べると「ビデオ会議の画質を劇的に変える--デジタル一眼を「ウェブカメラ化」してみた」とか「Zoomミーティングを高画質に!手持ちの一眼レフをWebカメラにする方法」とか、「高画質にリモートワークしたい?デジタル一眼繋げばええやんけ!ほら、カメラメーカーもこぞって対応してるっしょ?」という記事ばかり。あ、その、あのですね、画質綺麗にしたいしガジェット欲もあるけど、オッサンなので毎日テレビ会議するのにデジタル一眼と向き合うほどの度胸があるわけでもないんです…。
で、そんなようなことをもやもや考えた結果…
「レンズスタイルカメラ」として知られる往年の
レンズスタイルカメラ DSC-QX100
まず「レンズスタイルカメラ」とはなんぞや、というところから軽くおさらい。 ソニーから2013年と2014年に、オリンパスから2015年に数機種だけ発売された「レンズだけ(に見える)デジタルカメラ」。液晶画面やファインダーを持たず、画角の調整や各種設定などはスマートフォンと接続することで行います。スマートフォンのカメラの画質が上がりコンパクトデジカメの領域を食い始めたころ、「スマートフォンのカメラでは実現できない画質」を「スマートフォンの体験として」実現するカメラ、という位置づけで生まれました。 実際には「スマートフォンに接続する手間が面倒で写真を撮るまでに時間がかかる」とか「スマートフォンのカメラの画質・機能向上が著しくほかにカメラを持つほどではなくなってしまった」とか、カメラとしてもスマートフォン連携機能としても使いづらい中途半端な存在としてあだ花のように消えてしまいました。いや、私はとても好きなんですがこういうの…。レンズスタイルカメラの「遊びかた」
これらのカメラ、実はAPIやSDKが提供されていて自分で連携アプリを開発することもできるようになっていたりします。(※OLYMPUS AIR A01はもう開発者サイトが消えており情報にたどり着くことができませんが、ソニーのSDKはまだダウンロードできます!えらい!)昨今のご時世でカメラメーカー各社、デジタル一眼のWebカメラ化対応が進んでいたりしますが、冒頭に書いたとおり私はデジタル一眼に毎日撮られ続けたいわけではないのと(単純にカメラが邪魔なのと)、今回話題にしたようなレンズスタイルカメラはさすがに古い&対象少なすぎてまったく相手にされていないので、やるなら自分でなんとかするしかありません。そりゃそうだ、ないもんは自分でつくったろうやんけ、そのための材料は用意されてるしな、というわけ。
レンズスタイルカメラ、Webカメラに転生す
というわけでちゃちゃっとアプリを書きまして(世にある先人の知恵の組み合わせでほぼいけたので半日くらいでできた)Webカメラとして運用をはじめてみました。思ったとおり、カメラ自体は大変コンパクトで威圧感もなく、しかもワイヤレスで接続できるので(※長時間連続使用する際はUSBアダプタによる電源供給は必要。逆に電源供給だけしておけば数時間でも普通に動き続けています)実にスマート。いいかんじです。自宅内テレワークスペースに常設する際も、軽さと小ささがあいまってどこにでも設置できます。一眼だとなかなかこうはいかないです。
肝心の画質は…というと
これがもともとのPCについていた内蔵Webカメラの画質。
それがDSC-QX100をWebカメラ化するとこうなります。2013年発売と進化激しいこの界隈ではもうだいぶ世代が古いカメラではありますが、それでも1インチセンサーと明るいレンズ(F1.8)がもつ背景ボケ、デジタルカメラ由来のちゃんとした画像処理によるしっかりした色味など、解像度とは違う「画質」のよさがしっかり出ているかと思います。満足!
DSC-QXシリーズWebカメラアプリ「QXwebcam」
ダウンロード:QXwebcam002.zipつくったアプリをここに置いておきます。無保証です。
ソニー DSC-QX100などの往年の「レンズスタイルカメラ」をWebカメラ化するアプリケーションです。
ネットワーク内にある「QX」という文字列が入っている応答をカメラとみなすので、QX10, QX30, QX1でも動くはず。(※QX10, QX30, QX1各機種での動作確認報告いただいておりますので実際に動くとおもいます)
仮想Webカメラデバイスのインストール
Installフォルダの下にあるInstall_QXwebcam.batを実行してください。仮想Webカメラがインストールされます。
※このとき、Installフォルダが【日本語フォルダの下にない】ことを確認してください。特にユーザ名が日本語のかたはデスクトップやダウンロード/ドキュメントに置いた状態ですと正常にインストールできないかもしれないです
アンインストールは
Uninstall.batを実行してください。
レンズスタイルカメラQXのWebカメラ化
仮想Webカメラデバイスがインストールされた状態で、QXwebcam.exe を実行してください
PCからネットワークで繋がっているカメラを検索し、自動的に接続します。ウインドウにカメラの映像が出力されたら、Webカメラ「QX webcam」に映像が出てきます。画面内をクリックするとその位置にフォーカスをあわせます(※タッチフォーカス)
右上のアイコンをクリックするとズームも可能です。
画面がでてこないときは
PCがカメラのアクセスポイント(DIRECT-***:DSC-QX100)に直接繋がっていることを確認してください。また、ファイアウォールを切ってみるなどしてみてください。カメラのアクセスポイントに繋いでしまったらWeb会議できないじゃん!
PC自体の外部ネットワークは有線LANで、カメラへのアクセスは無線LANで、とか無線LANのUSBアダプタを足して2箇所に繋ぐとかするといいです。私はこのアダプタをノートPCに刺して、QXに繋ぐ用にしています。快適です。このアダプタを刺すだけで「WiFi 2」というのが増えて別の接続先を選べるようになります。それをQXに繋げばインターネットアクセスとQXへの接続が両立できます。
余談
というかですね、このようにWeb会議で汚いオッサンの顔を見たくないんだったらアバターになってもいいんやで!(ここまできて大きくちゃぶ台をひっくり返す)いやほんと、実写である必要がないのであればアバター姿のビデオ会議もかなり楽なのでおすすめです。カスタムキャストなどでアバターを作り、THE SEED ONLINEに連携してアバターをアップロードし、VDRAWでWebカメラ化するとかんたんにアバター姿になれます。
VDRAWの仮想カメラデバイスは↑のQXwebcamとぶつかるのでうまく動かなかったら片方アンインストールしてみてくださいね!
アップデート履歴
2021/03/20 初版公開2021/12/21 左右反転、上下反転、180度回転ボタン追加。カメラ出力がウインドウサイズに影響される問題を修正
(※QX100はかなり古いデバイスなので、Amazonでは新品価格よりもマーケットプレイスで中古を見たほうがいいです)