(MobileHackerzのマストドン(Mastodon)はこちらです)
ここ最近「マストドン(Mastodon)」というSNSが急速に話題になっています。Twitterのように、短文の投稿・片方向フォロー・時系列タイムラインの機能を揃えているのですが、Twitterと大きく違うのは「分散型SNS」ということ。Twtterやfacebookのように、一社のインフラに依存するものではなく、OStatusという技術に基づいた、オープンソースの、分散型のSNSなのです。
…といってもなかなかピンとこないですが、つまりは「小規模な、小さなコミュニティの間のTwitter」を誰でも自由につくることができ、さらに複数のコミュニティ間をシームレスに繋ぐことで大きなSNSとして機能する…という感じ。Twitterの規模の利便性と、小規模な内輪の世界とを両立「できそう」なサービスとして注目を集めています。
いま話題のマストドン。オープンソースSNSで、SNSインスタンス(サーバ)を自分で立てることができる+同サーバ内の全発言を見るローカルタイムラインがある+外部インスタンスのアカウントもフォローできる、という「趣味クラスごとに小規模サーバ立てて、その集合体SNS」構成がすごく面白い
— MIRO (@MobileHackerz) 2017年4月13日
だから「日本サーバ」みたいな今の盛り上がり方だと成立しないんだろうなーというかんじがする。趣味ごとにばんばんインスタンスが立っていく姿が見たい。(ガジェットクラスタインスタンス立てようかなあ)
— MIRO (@MobileHackerz) 2017年4月13日
日本ではmstdn.jpというサーバを個人が運用しはじめたところから話題が盛り上がりはじめ、急速に利用者が増えました。その利用者の増え方が急だったこともあり、mstdn.jpサーバはサーバリセット&移転、その間にpixivがPawoo.netとしてインスタンス(サーバ)を用意、など状況はここ数日でどんどん進んでいます。
で、私はどうしようかと考えた結果、自分のインスタンス(サーバ)を用意することにしました。Mastodonはこのように「自分で管理するサーバ」でサービスを動かしていても、ほかのインスタンス(サーバ)を使っている人から普通にフォロー(リモートフォロー)ができる、サーバの違いをほとんど意識することがない、というのがとてもおもしろいところです。
分散型で、サーバごとにコミュニティができる(ローカルタイムラインという機能がある)、しかしサーバ間連携も自然にできるのでSNS空間自体は広い、ユーザインタフェースはとてもモダンで使いやすい、という、オープンな思想と現代のWebサービスとしての使い勝手が両立しているのが魅力のマストドン。SNS初期によくある混沌もふくめとてもおもしろいので、みなさんもどこかのインスタンスに飛び込んでみてはいかがでしょうか!
MobileHackerz Mastodon
https://mstdn.mobilehackerz.jp/@MIRO
自分専用のインスタンスを用意するにあたり、
VPSにdocker環境構築
http://qiita.com/t-mimura/items/c206d46f3af771292f89CentOS7でmastodonを建てる
http://qiita.com/motiakoron/items/1e5b0679f7283bfee70bお一人様のMastodon
http://qiita.com/sawanoboly/items/c7d6b913fd5455fb0f36Mastodon は自分のドメインでIDを持つことが大事。「リモートフォロー」の価値を最大化するべし。
https://isid.ai/diary/2017/04/14/1179/
を参考にしました。ありがとうございます!
※21:00 追記※
その後、pixiv運営のMastodonインスタンス「Pawoo」が複数の海外インスタンスから切断(ban)される、という状況になりました。しかし、ここで説明したようにMastodonは中央集権的な存在…たとえば「マストドン社」とか「本家」みたいなものは存在しない「分散型SNS」です。つまり、切断されてもPawooはPawooでありつづけるし、(切断されていない)別のサーバとも普通にやりとりができるのです。あくまでも、切断したのはそのインスタンス(サーバ)の判断であり、MastodonというSNS全体の意思ではない。これは本当にすごいことだと思います。
もともと自由な相互接続ネットワークだったインターネットも、規模が大きくなるにつれTwitterやFacebook、Amazon、GoogleそしてAppleのような「超大規模な特定企業」のサービスに寡占され、あらゆるコンテンツ流通は彼らの基準を遵守することが求められる時代になりました。Mastodonで起こったこの「Pawoo切断」は、その「中央集権」からふたたびSNSに自由を取り戻したという象徴的な出来事ではないかと思います。
分散SNSのマストドン、pixiv運営のインスタンス(サーバ)pawooが(海外基準で)児童ポルノ絵の流通に対して何の対策もしない、という理由で複数の海外インスタンスから切断される状況に。しかし分散SNSなのでpawooはそのままあり続け、ほかのサーバとも相変わらず繋がっている
— MIRO (@MobileHackerz) 2017年4月15日
つまり「全体が大きいSNSとしてつながりつつ各インスタンスはそれぞれのルールで統治される」という非中央集権SNSという理念が現実化しているわけで控え目に言っても超おもしろい。いやほんとに。
— MIRO (@MobileHackerz) 2017年4月15日
つまり、インスタンスを選ぶというのは「誰から追加の制約を課せられるか」を選ぶ儀式であって、自分のインスタンスを立てるというのは「日本の法律とサーバ業者以外から余計な制約を受けないでSNSを使う」という最高の選択なわけです
— 関数型㉅㊛の天然㊌飲みたい(らりお) (@lo48576) 2017年4月15日