それ以後ずっとあまり表には出ずぷちぷちと好き勝手なことばかり
となると、必要になってくるのが「名刺」。
いや、ほんと、これまであまり必要だと思ったことがなかったんですよ。なのでこれといった決まった名刺があったわけでもなく、ミーティングに参加する前日にあわてて名刺用紙を買ってきててきとうにプリンタで印刷して持っていったりしていたんです。
でも、別にデザインセンスがあるわけでもなし、毎回あわててデザインしてあわてて印刷するので毎度毎度あまりにも凡庸な名刺になってしまう。これはさすがにもうちょっとなんとかしたいなと。
というわけで、2009年はもう少し対外活動をがんばろう(笑)という決意を込め、やっつけではなく、ちゃんと長く使える名刺を考えることにしました。
で。
「MobileHackerzの名刺」として2009年早々完成したのがこちらです。
そう、ずばり!プリント基板で作ってみました!
以前「KETACLOCK - 桁ごとに独立した時計」の基板を発注した時に(ああ…これもペンディングのまま年を越してしまった…)「PCBCartは数がまとまると恐ろしく安い」ということを学習しまして、いつかこれで名刺を作ってやろうとはずっとたくらんでいたんですよ。オンライン見積もりしてみても、100枚とか作っても小遣いでぎりぎりなんとかなる額に収まる、というのが本当にすごい。
「基板 名刺」でぐぐるとこんな実例も出てきますが(ほかに以前どこかのサイトのデザイン名刺特集でもう一例ほど見かけた記憶があります…ってたぶんこれですね)、もっと「普通の名刺」のフォーマットを守って作ってみたかったんですね。一見普通の名刺だけど、実は基板です、みたいな。
そういうネタというか構想はずいぶん前からあったんだけれども、「名刺を基板で作るのはいいけど、じゃあ、何の基板にするの?」というところでずっと引っかかってました。いろいろやりたいことはあるけれども、名刺として配る基板で実際に(基板として)使ってもらうハードル上げてもしょうがないし。つまり、せっかくなら誰でも工作できるような基板にしたい。
で、結局いろいろ妥協するところは妥協して(主に部品代が高騰してしまうのを妥協)、秋月のH8/3664Fボードをベースにした携帯ゲーム機(?)が作れる基板、ということにしました。
組み上げるとこんな感じになります。
そしてもちろん、名刺サイズですので名刺用のプラスチックケースにそのままスコっと入ります。
可能なところはできるだけ「普通の名刺」らしく、ということで、基板の厚さも通常(1.6mm)よりも薄い0.8mm厚(これ以上薄い基板はコスト面で断念)。部品の配置も、作りやすさよりも名前の表記スペース確保が優先(とはいえ先述のとおり「誰でも工作できる」は極力維持)、住所や電話番号の表示のところにビアがたくさん入ってしまったので、配線をわざわざ移動して、ビアをすべて単語と単語の間のスペースの部分に入れるなど、微妙に明後日の方向の工夫が盛り込まれています(笑)
まぁ、出来上がってみればもう完全に自己満足以外のなにものでもないんですが(用としては紙に印刷したでっちあげの名刺で全く問題ないわけですし)、これはこれで面白い…でしょ?
今回かかったコスト(100枚分)
- 発注先:PCBCart
- サイズ:91mm×55mm。日本の名刺サイズ
- レジスト色:黒、基板厚:0.8mm、シルク色:黄色、両面スルーホール+両面シルク印刷
- 基板単価(100枚) $1.58+初期設定コスト $65.11+送料 $23.91
- 総計 $246.86、カード請求額は日本円で23461円
- 2009年1月8日発注→1月16日発送→1月19日着
- PCBCartへはLead Time in 15 daysで注文しています。ここは指定のLead Timeよりいつも早めに完了しますが今回は特別早かった。一方、発送から着荷まで3日かかっているのは土日を挟んでいるからで、これは普段は翌日着(!)です。
- 次からの増産は初期設定コストは不要、基板価格+送料のみ。(例:200枚追加で基板+送料$304.88)
あと、こういう「見た目が大事」な基板をPCBCartに発注する際は「ULマークを入れないでくれ」と発注時に特記しておくと、シルクに余分な表記(UL 94V-0)を足されずに済みます。
そういえば、Make: blogで紹介されている名刺基板にも「UL 94V-0」の表記が… ^^;
ちなみに、基板の「機能」の面を気にしなければこんな製品もあるようです。