2009/09/30 ■ FinePix REAL 3D W1で撮ったステレオ画像をそのままblogに貼る方法
富士フイルムの立体デジカメことFinePix REAL 3D W1は「右目用と左目用の写真を同時に撮って立体視することができるカメラ」です。しかし、撮ったはいいけど公開する方法が難しい!…のは、何度かお伝えしているとおり。
いろいろと試行錯誤はしたのですが、やはりWebで公開するのであれば平行法配置で公開し、裸眼ないしはそれなりのビューアで見てもらうというのが結局いちばんリーズナブルなのかな、という結論に個人的に達しました。
となると次は「じゃあ、どうやってその“平行法配置”の画像を作って公開するの?」というステップ。
いちばん高機能かつ高品質なのは、ステレオフォトメーカーという素晴らしいフリーソフトウェアを使って調整しつつ出力する方法です。が、やはりPCで調整して変換して…となると外出先でサクっと公開するのには手間がかかる。現地で撮影したステレオ写真が、その場でぱっとTwitterにでも公開できればそれはそれで楽しそうです。
というわけで、そんなことができるようなゲートウェイサーバを作ってみました。
ゲートウェイサーバは「特定のアドレスに.mpoファイルをメールすると、平行法配置に並び替えた写真を添付して指定の宛先にメールする」という動作をします。つまり、メールを使って写真を投稿することのできるブログやマイクロブログなどへ、.mpoを添付してメールするだけで平行法配置として投稿できるというわけ。
この際、平行法配置への並び替えは.mpoファイル内の視差調整情報(FinePix REAL 3D W1で調整した視差情報)も利用して自動でトリミングし並べます。
使い方は以下のとおり。
(※spam避けのため画像で記述しています)
上記のように、最終的に送りたいメールアドレスを加工し.mpoファイルを送信するだけで、.mpoから平行法の画像を生成し表題・本文はそのままで指定のアドレスへJPEGを添付送信します。
その際いくつか注意点があります。
・サーバ負荷対策のため、フルサイズの.mpoは受け付けません。横640または320にカメラ本体でリサイズしてから送信してください。
・同時に受け付けるファイル数は1ファイルだけです。複数のファイルを同時に添付しても無視されます。
・.mpo以外のファイルを添付しても無視されます。
・変換、転送処理の前にGmailの迷惑メールフィルタを一度通しています。迷惑メールと判定されてしまった場合は変換されずに破棄されることがあります。
と、一見いろいろ面倒そうですが、これがFinePixの赤外線機能と組み合わせると意外と便利だったりします。
たとえば…
1. 出先でステレオ写真を撮影する
2. 再生メニューからリサイズ→スタンダード(640)を選択
3. 戻って、リサイズ済の画像を表示したら「F」キーを押し赤外線通信
4. 携帯電話を赤外線受信モードにして、FinePixから赤外線送信
5. 一瞬で転送が終わるので、そのファイル(.jpgに見えます)を「そのまま」添付してメール送信
少なくとも、FinePix REAL 3D W1とau W63CAの組み合わせではこの手順で(「デジカメ」と「携帯」だけで)Twitterやmixiなどに平行法画像の投稿ができました。実際にやってみればわかりますが、(携帯電話単体でのリサイズが意外と遅く面倒なこともあって)携帯自身で撮った写真をメールするのとたいして手間は変わりません。
これでランチに食べた飯をその場でステレオ写真のままblogへ投稿、なんてことも簡単に可能になりました。また理想の環境に一歩近づいた…!
なお、この変換サーバは私が自分用に作って運用しているものです。誰でも使えるように公開運用はさせていただきますが、永続的にサービスを提供しつづけることをお約束するわけではないのでご注意ください。
おまけ:
上記ゲートウェイサーバのアドレスの冒頭「mpo」を「mpojps」にすると、全く同じ変換動作をしつつ再送する添付ファイルの拡張子だけ「.jps」にして送信します。たぶんこれでau H001で立体視可能な画像になると思…うのですが、実機を持ってないので本当にこれでいいのかどうかはわかりません。あくまでもおまけということで。
2009/09/25 ■ どんどん増える3Dグッズ
FinePix REAL 3D W1を買ってからどんどんと立体写真データが増えているわけですが、そのデータを視聴する方法がいろいろ大変だというのは前回エントリに書いたとおり。
立体写真自身は100年以上の歴史を持つものなので、「立体写真の視聴方法」としてはかなりいろいろなアイテムがあります。が、それがデジタル時代に生成される大量の写真の鑑賞に合うかどうかはまた別の話。
PC上での画像の取り扱いも含めて、試行錯誤しているうちにずいぶんと「3D視聴グッズ」が溜まってしまいました。(上の写真に出ているものはその一部)
いまのところ、画質面で最強なのはIBM T221のフル画面に平行法で表示してステレオミラービューワで鑑賞する方法。特殊な環境すぎてなんとも言えませんが(笑)たいへん美しいステレオ写真が楽しめます。
ステレオミラービューワはアマダ光機さんでも買えます。ちなみに私が注文した時にはびっくりするくらい通販の対応が早かった。夜に注文して翌日(祝日)には発送、翌々日午前中には届きました。
手軽さで最強なのはSTEREO eYeさんで買える「ステレオプリント用プラスチックビューア」。500円で買える割には使い勝手はかなり良いです。ステレオミラービューワは簡単な調整で大きい写真が立体視(実体視)できるかわりに小さい画像・写真が立体視できない(たとえば、L判サイズにステレオカード印刷したものはサイズ的にうまく立体視できない)のに対し、手ごろなサイズの平行法画像が非常に手軽に視聴でき、かつコンパクトで安く大変便利。
安さと画質が両立しているのは、同じくSTEREO eYeさんで買える「ステレオプリント用紙製ビューア」。300円なので、紙に印刷したステレオカードとともに視聴用として配布するのに使えます。先のエントリのように老眼鏡を使ってもらうのも手ですが、この紙製ビューアが収められたビニール袋にちょうどL判の写真が同梱できるので、親戚などに立体写真を見てもらう手段としてはぴったり。ただ紙製だけあって耐久性に難があるので、自分用の常用ビューアには向きません。
ほかに、アマダ光機さんのステレオウィンドウもずっと気になっていたのですが、ちょっと気軽に買うには高すぎて(約8000円)躊躇していたところ、B級品が格安で出ていたので思わず購入。アマダ光機さんのページでは外観がわかりにくいですが、こんな感じの商品です。
これはリビングに立体写真を飾る用途に使おうと思っていますが、レビューはそのうち。
とまぁ、視聴する手段に関してはいろいろ集めてみましたが、肝心な3D写真のハンドリングがまだちょっと面倒くさい。というわけで、「立体視 .MPO画像ファイル用 Susie/エクスプローラプラグインパック」というものを作ってみました。
ステレオビューアを使うとたいていは平行法で視聴することになるので、.mpoファイルをワンクリックで、使い慣れたビューアで平行法として開くことができるように作ったようなものです。
こういう視聴環境が揃ってくると地味に便利に使えますので、FinePix REAL 3D W1ユーザのかたはぜひお試しいただければ。