2011/02/18 ■ ffmpegに伊達直人なう
伊達直人からはじまった一連の寄付ブーム、そろそろ落ち着いてきたでしょうか。
落ち着いた…というかブームに出遅れた感はありますが、せっかくなので私も寄付してみました!匿名じゃないけど!
って偉そうに自分で寄付した風に言っていますが、そうですそうですカンのいい人はお気づきかと思います。「ニコニコ入社一時金制度」です。おかげさまで中途入社でドワンゴに入ることになったわけですが、その際にこの制度の適用対象となりました。入社一時金として252万5000円がドワンゴから支出され、そのうち半分が入社後本人に支給(おかげさまで第二子の出産費用になりました…!)もう半分がオープンソースや慈善団体へ寄付されるのです。
本人にとってもありがたいけれども、寄付としても額がでかい。個人でこういうまとまった額の寄付なんてする機会もなかなかないものですから、寄付先を考えるだけでも実はテンションがあがりました。
伊達直人じゃないけれども、自分に子供が出来てくると恵まれない子供を救うことにも俄然興味がわきます。Wikipediaもジミー・ウェールズさんからのメッセージを何度も何度もお願いされたので(笑)普段便利に使ってるし少しは還元したいところです(それに下世話な話ですが小市民がこんなページに載りそうな機会はなかなかない!)。東京都の海の森プロジェクトや花粉の少ない森づくり募金だって身近なものなので気になります。
とまあいろいろ考えはしたのですが、入社後落ち着いたころに「寄付先どこにしますか?」と聞かれ…
結局寄付先はffmpegにすることにしました。まあタイトルや冒頭の画像で思いっきりバラしてますけど。
ffmpegは「携帯動画変換君」のメインエンコードエンジンです。良くも悪くもMobileHackerzというサイト、そして今の自分の存在を多くの人に知ってもらうきっかけになったソフトウェアであり、プロジェクトでした。ffmpegという実行ファイルそのものは知られてなくても、携帯動画変換君のようなエンコーダの裏で動いていることも非常に多いですし、またここで開発されたコーデックが他のプロジェクトに流用されていたりなど結構影響力の大きいソフトウェアでもあります。
携帯動画変換君の開発当時、私もffmpegのコードにパッチをあてましたし、そのうちいくつかは本家のソースツリーに取り込まれもしました。そういう意味では「恩返し」は済んではいたのですが、まあそこはそれ。今後も仕事として動画のエンコーダに関わることもありそうですし、返せる恩は返せるうちに目一杯返しておくに越したことはなかろうと。
ffmpegは公式サイトでは特にうたっていませんが、Foundation for Free Multimedia TechnologyというNGOを設立しており、寄付も受け付けています。(ただ、組織化が遅れに遅れており寄付の受付体勢もなかなか整っていないようですが…)
ffmpegへの寄付が決まり事務処理が動き出した後になってffmpegのデベロッパ向けメーリングリストで内紛だクーデターだ分裂だとややこしい炎上が発生したりして一時はどうなることかと思いましたが、炎上も沈静化し振込も無事着金したようです。
先方からは「ありがとう!この寄付どんなプロジェクトに使う?希望ある?」と聞かれてますが、どう答えたものか。RTMPの安定度を上げてもらうといろいろ嬉しい気もしますが…(笑)
とまあ、いろいろと個人的にも貴重な経験をさせていただきました。そして恩返しも出来てうれしかった!この一時金制度、まさにみんながハッピーになる企画だなあと思ったのでした。
しかしこれ税務上はどういう扱いになるんだろう?ちょうど今確定申告の時期だけど、今回の件を処理しなきゃいけないのは来年分だし、まだ気にしなくてもいいかな…?