みなさんどんなキーボードを使っていますか?
キーボードは人間とPCを繋ぐとてもとても重要なデバイス。文章なりプログラムコードなり、「自分が頭に考えたことをコンピュータにインプットする」というその特性上、ここのストレスを低減することは作業効率に直結します。
脳裏の物事をコンピュータにインプットする、その時点でのフリクション(摩擦)は思考の流れを直撃で阻害してしまいます。つまり思考の流れを止めないためにも、キーボードにこだわりを持つというのはとても重要なのです。よいキーボード、手に馴染んだキーボードは、その点入力に意識を持って行かれることがない。本当に馴染みハマると、思考の流れがそのままコンピュータにだだ漏れていく感覚が得られる。これは本当に気持ちが良い!
そんなわけでこの快感を求めて一部界隈では「自作キーボード」なども流行ってきているわけですが、自作までしなくともキーボードの選択肢は最近本当に増えました。
ここで最近私が試して、「これはいい!!!」と思ったキーボードを2つほど紹介したいと思います。
NiZ ATOM 66 静電容量無接点方式キーボード
高級キーボードといえばHappy Hacking KeyboardかRealforceが代名詞…みたいなところがありますが、Realforceの「静電容量無接点方式」と同じ機構を採用している、中国製のキーボード「NiZ」。自分の周囲を見回してみても、じわじわ人気が広がっています。
66キー・84キーのサイズバリエーション、ゲーミングキーボードっぽくRGB LEDが仕込まれているもの省略されているもの、USB接続のものBluetooth接続対応のものなど組み合わせで複数のモデルがあります。
10年以上会社用・自宅用ともにRealforce 91UBKを使っていたのですが、私はNiZキーボードに出会ったことでついにメインのキーボードを完全に乗り換えました。すげえ良いです。
コンパクト、でもキーを削りすぎていない
フレームレスとまでは言えないものの、フレームサイズはかなり小さくフットプリントはとてもコンパクトにまとまっています。
自分が選んだのはATOM 66という66キーモデルですが、いわゆる60%キーボードというこのカテゴリの中でもキーの数を削りすぎずカーソルキーなども残しており、非常に使い勝手が良いです。小さいので、キーボードケースに入れて毎日持ち歩きモバイルキーボードとしても活用しています。
キータッチがエレガント
静電容量無接点方式ならではの、するっと柔らかに入力できるとても気持ちよいキータッチ。いわゆるメカニカルのタッチを期待すると少し違いますが、Realforceが気に入っている人はNiZのタッチにも馴染めると思います。
キー入力荷重は35gですが、別途 荷重を10g追加できるスプリングが付属 しており、自分の好きなキーを自由に荷重45gへカスタマイズすることもできます。また、キー入力がされる押し込み量の変更も可能。バックスペースキーを大きくしたい人むけに2キーをまとめてバックスペースにするための交換キーキャップも付属しています。「キータッチが好みでなかったら自分でカスタマイズしろ」というすごい仕様。
カスタマイズの幅が非常に大きい
キーの重さ、キー入力される押し込み量の調整が可能なことは先に挙げましたが、それだけでなく 全キーの機能をUSBからプログラム(変更)可能 、キーキャップがいわゆる「MX」キー互換なので市販のカスタマイズ用キーキャップを使って 外観のカスタマイズも可能 と、徹底的に自分の好みのキーボードに作り替えられる仕組みになっています。
よくあるCTRL/CAPSの入れ替えのようなことから、Fnキーとのコンビネーション差し替え、Fnキー自体の位置変更などなんでもござれ。 OSレイヤーで変更するのではなく、キーボード自体をカスタマイズできる のでOSや接続するPCが変わっても「いつもの」キーボードでいられるというのは強いです。
あと、Fnキーコンビネーションでマウスの操作も可能です。 W/A/S/Dでマウスカーソルを動かす、なんてこともできるのでちょっとしたマウス操作も手を動かす必要がなかったりします(操作しやすいわけではないですが)
Bluetooth対応!
Bluetooth対応モデルが存在し、単体でBluetooth接続ができます。Bluetooth接続モデルではそこそこ大きなバッテリーを積んでおり、体感では一度充電するとほぼ毎日使って1ヶ月くらい使える…という夢を見ました。
また、Bluetoothはマルチペアリングに対応しており3箇所までデバイスを記憶して、Fnキー+8/9/0で瞬時に接続先を切り替えることが可能です。メインPC/タブレット/スマホのようにペアリングしておき、ささっと切替えながら使うことも可能です。という夢を見ました。
無線に関しては、なんというか、そういう 夢 なのであんまり深いことは突っ込まずにいていただけると…
そして安い
ATOM 66/RGB LEDなし/Bluetoothモデルで14999円です。USB接続の84キーなら11999円!この内容ではたいへんお買い得だと思います。
anidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboard
静電容量無接点方式のキーボードもいいが、俺は!カチカチ言う!メカニカルが!!!好きなんだ!!!! という人に。そんな人にお勧めの(そしてあまり知られていない)キーボードがこちら、anidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboard。
メカニカルキーボードの世界ではよく「青軸」「赤軸」などとキースイッチの軸色でキータッチの質を表現しますが、これで言う「青軸」…つまり、カチカチとクリック感のあるキーの「薄型」を採用したキーボードです。
「薄型」メカニカルキーボードというのにピンとこない人もいるかと思います。実はメカニカルキーボードといえばこれ、という「Cherry MX」にも「Low Profile」という薄型モデルがありますし、ほかにKailhという会社の薄型キースイッチも含め「薄型のメカニカルキー」というものが存在します。ストロークこそ通常のキーよりも若干浅いものの、クリック感含めて通常のキーと遜色ないタイプ感を(物理的にかなり薄くしつつ)実現することができるのです。
そんな薄型メカニカルキーを採用した、コンパクトで、薄くて、メカニカルで、ワイヤレスなキーボード!が、このAnidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboardというわけ。
ともかくコンパクト
このキーボードのいいところは、 ともかくコンパクト なところ。フレームレスで本体のフットプリントは最小限、そしてなんといっても薄い。薄い!鞄に放り込んでキーボードを持ち歩く時など、この薄さはとても魅力です。
またいわゆるファンクションキーがない60%キーボードと呼ばれるカテゴリですが、キー配列は素直なもので、カスタマイズこそできないものの通常使用には特に戸惑うところはないはず。
キーキャップをカスタマイズするべし
キーキャップは表面がフラットなものが採用されており指のひっかかりがないのですが、このキーボードはKailhの薄型キーを採用しているため遊舎工房などで販売されているKailhロープロファイルキーキャップを使ってカスタマイズが可能です。
元のキーキャップは完全にフラットで、かつツルツルしているのですが交換したものはわずかにくぼみが作ってあり、キーキャップを差し替えるだけでもけっこうタイプ感がかわります。
セットになっているキーキャップで埋まるキーはこのとおり。ほかはサイズ違いなどの理由でそのままではあてはまらないので、刻印を無視して他のキーを使うか、無刻印キーキャップを別途追加で買うか、そのまま気にせず使うか(スペースバーはそうせざるを得ない)お好みで。
キータッチが青軸のそれ!
そしてなんといってもキータッチが「青軸」のそれ。ただ薄いキーボードが欲しければパンタグラフ式(ノートパソコンのキーボード)を使えばよいのですが、このキーボードは「薄いのにメカニカル」なのが面白いところ。
メカニカルキーボードがいい!けど、携帯もしたい!というヘンタ…趣味人は一度検討してみるのもいいと思います
Bluetooth対応!
そしてそしてこのキーボード、これまたBluetooth対応です。しかもマルチペアリング対応。3箇所までデバイスを記録しておきFnキーとのコンビネーションで接続先を切り替えて使うことが可能です。
Bluetooth接続は物理スイッチでON/OFFできるのですが、Bluetoothモードでも常時LEDが点灯したりなどしており、電池持ちはあまり期待できない(常時ONしっぱなしで常用は難しい)です。これは常設はUSB接続で、外出先ではBluetooth接続で使うのがよさそうです…という 夢を見ました 。
このキーボードの買いかた
このAnidees Prismatic Gaming Keyboard、日本のAmazonで検索すると16000円くらいで出てくるのですが、Amazon.comだと$69.90です。 日本への送料・関税を入れても$77.22で、Amazonでポチっとするだけで日本へ直接送ってくれます。
私の場合はAmazon.comで一番安い送料を選び、注文してから10日で到着しました。注文手順は日本のAmazonとまったく同じなので、ポチってみる際は日本のAmazonよりはAmazon.comを使うとよいと思います。
先にも書きましたがそのままだとキータッチはともかく キーキャップがフラットで指の引っかかりがない ので、キーキャップ入れ替えなどのカスタマイズをしてみるのがオススメです。キーキャップはまだMXスイッチと違って「キーキャップのみで買えるもの」の選択肢がほぼないのですが、先の遊舎工房のほかおなじものがAliexpressなどでも見つかります。
まとめ
キーボードの好みは人それぞれ。それが行き着くところまで行くと冒頭にも触れた「自作キーボード」という沼に沈んでいくのだと思いますが、その手前の市販キーボードの世界も本当に面白くなってきました。キーボード自体の製品ラインナップの広がりだけでなく、キーキャップなどのカスタマイズパーツも流通しておりまさに「自分専用のこだわりキーボード」を得られる世界になっています。
ここで紹介したのは自分が買って、自分で使って、そして自分でカスタマイズして「いいな」と思ったもの。みなさんもぜひ「自分の手に馴染む、思考を阻害しない、脳とコンピュータの接続点としてのマイ・キーボード」を探ってみて下さい